保護者に授業のレベルが塾より低すぎると、指導内容にダメ出しをされたときどうすればよいか
小学校高学年になると、授業のレベルが低すぎると、授業内容にダメ出しをしてくる保護者がいます。
授業内容のレベルを上げるように要求したり、指導法にも細かく口出ししてきて困る場合があります。
「学校の授業は塾とは違うんだよ」などと、塾に通う子を否定するような態度は避けましょう。子どもや保護者の不信感を大きくしてしまいます。
子どもから、塾の様子を聞くことで、授業の参考にしたり、塾とは異なる学校ならではの授業の工夫に役立てたりすることができます。
学校での学習のよさは、異なる能力の子どもたちが、同じ内容を学ぶところに、よさがあります。
子どもたちがお互いに意見を交流して、さまざまな考え方を学んだり、間違いを認めたり、他の子の意見を取り入れたりと、授業を通して「人として大切な力」を育んでいきます。
このような、学校で学ぶことのよさを伝え、わが子が授業を楽しんでいる様子が保護者に感じられれば、こうした保護者からの苦情は自然に影をひそめるものです。
いつも、教科書通りの授業を、何の工夫もせずに続けていると、必ずこのような苦情を言ってくる保護者が出てきます。
子どもが授業を楽しんでいれば、授業のレベルにかかわらず、保護者は学校の授業に納得してくれるものです。
ときおり、パズルやクロスワード、迷路やクイズなどを授業に取り入れて「考えること」「学ぶこと」を楽しませましょう。
当然、レベルの高い問題にも触れさせることになり、保護者も子どもも、学校の授業に満足してくれます。
理解が早くて計算や漢字技能に長けている子も、ゆっくり確実に習得する子も「よくがんばった」と充実感を味わうことのできる授業にするのが理想です。
そのためには、学習内容は同じでも、練習量やレベルに応じた課題を与えるような工夫が必要です。
例えば、学習内容を習得するために、計算ドリルの5番までを全員の課題とし、早く終えた子は10番まで、余裕のある子は発展プリントに進む、などの工夫が考えられます。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校教頭。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方研究会」を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)
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