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学級崩壊を起こす教師は、子どもたちと共鳴する力が不足しているのではないか

 私は若い教師をたくさん見てきました。その結果「遊べない教師はだめだ」「遊ぶときには、とことん遊べる教師が良い教師になる」と言えます。
 遊べるということは、ものごとの楽しみ方を知っているということです。
 遊べるということは、どんなメンバーとも、おもしろさを発見して心から楽しむことができるということです。
 子どもはおもしろいことが大好きです。子どもは遊びのなかに、人間関係の機微を学びます。
 教師が日常生活のなかに楽しみを見出せないタイプの人では、子どもたちがかわいそうです。
 子どもと一緒に笑ってくれる教師、子どものいたずらを叱りながらも共感してくれる教師、必要なときにボケてくれツッコミを入れてくれる教師、そういう教師が子どもたちを育てていくのだろうと思います。
 私は、この「子どもと共鳴する力」は教師力の一つだと、とらえています。
 学級崩壊を起こす教師、子どもに反発される教師を見ていると、このことが実感されます。
 そのような教師は、子どもの発している電波とは異なった電波で受信しようとしている。
 子どもの電波とは合わない、自分のたった一つの電波しかもっていない。そういう教師が子どもたちとのコミュニケーションを断絶しています。
 子どもたちが発している電波に、即座に合わせられる、そんな共鳴力がなによりも必要なのではないでしょうか。 教師が子どもと接するときは、その判断の連続です。
 学級崩壊を頻繁に起こす教師、子どもたちとのコミュニケーションがへたな教師というのは、実はこれができないのです。
 どうすれば、共鳴力を鍛えることができるのでしょうか。
 気の合わない人、知らない人とも遊んでみる、そこに楽しみを見つけてみる、というのが近道であるように思います。
 教師が遊べるということは、実は他者への共鳴力が高いことを意味しています。
(
堀 裕嗣:1966年北海道生まれ、札幌市立中学の国語科教師。92年、国語教育研究サークル「研究集団ことのは」代表、「教師力BRUSH-UPセミナー」代表。文学教育と言語技術教育との融合を旗印に長く国語科授業の研究を続けている)

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