授業中の子どもの間違い発言はどのように取り扱えばよいのでしょうか
「教師は授業で勝負する」と言われています。
授業中の子どもたちの発言は「わかっている子がするもの」という固定観念をもってはいないでしょうか。
間違いを許さないという考えをもった教師の授業では、子どもたちは発言することに対して苦手意識を強くもち、劣等感を抱くことになってしまいます。
子どもが間違った発言をしたときや、いつも間違える子どもに対して、冷ややかな目で見ていることはないでしょうか。
授業中の子どもの間違い発言に対して「また間違えた」といった対応をしていないでしょうか。言われた子どもは委縮し、発言しなくなってしまうかもしれません。人間関係もくずれます。
これが原因で、授業がうまくいかなくなることがあることに気づかなければなりません。
授業中、教師は
「間違えてもよいから、自分の考えを言ってください」
「誰でも間違いがあるよ。気にしないように」
「間違えたら正していくようにすればよい」
などと言って子どもの発言を引き出すようにします。
間違った発言に対しては、まずは、その子の意見として受け入れ、それから別の考えがないか、意見を出してもらうようにします。
間違いを恐れずに、自分の意見を言える雰囲気が教室にあれば、子どもたちは積極的に授業に参加することができ、学習への意欲も向上するのです。
間違い発言をもとに、授業をデザインしていくこともできます。子どもが勇気を出して発言したいと思うような授業づくりが欠かせません。
授業中、一度でも自分の考えや意見を言ったり、表示したりする機会があると、子どもは授業に参加しているという実感が持てます。
(釼持 勉:東京都公立高校・小学校教師、教育庁、小学校長を経て、帝京大学教育学部教授、東京学芸大学特任教授)
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