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いじめが疑われているとき、いじめが発覚したとき、どうすればよいのでしょうか

 いじめが疑われている場合、調査がいじめ把握に有効な手法の一つであることは間違いありません。
 よく話題になるのが記名か無記名か、どちらにするかです。
 私は新聞社の方に質問されたときは「記名か無記名かの問題ではありません。教室で答えさせるとしたら、その集団がありのままに答えられるか否かの雰囲気によります」と。
 いじめアンケートの項目例(小学校)をあげると
(1)
学校に行きたくないとおもうことがありますか( )
(2)
学校で、じぶんのものがなくなったことがありますか( ) 
(3)
友だちから、いやなことを言われたことがありますか( ) 
(4)
友だちに、じぶんのものをかくされたことがありますか( ) 
(5)
今、心配していることがありますか( ) 
(6)
学校に、いじめる人がいますか( ) 
(7)
先生にはなしたいことがあったら、なんでもいいから書いてください
 いじめの実態把握は
(1)
いじめの対象(1名だけか、別の被害者はいないか)
(2)
いじめの構造(加害者の中心、加害行為を行う者、集団の力の構造)
(3)
いじめの態様(いじめの方法、人数、頻度、程度等)
(4)
被害者及び加害者の保護者の認知(いじめの実態把握、感情等)
 聴き取り調査での配慮事項は
(1)
口裏あわせを防ぐため、複数の教師が一斉に実施する
(2)
加害者と決めつけることなく、和やかな雰囲気づくりに努める
(3)
知っていることを教えて欲しいという姿勢を貫く
(4)
虚偽の疑いがあっても、まずは聴く
(5)
矛盾点や疑問点は「もう少し詳しくきかせてくれる?」と再質問する
(6)
「そういう気持ちだったのか」などと、心理的事実に焦点をあてる
(7)
「つらい思いをしている子を助けてあげて欲しい」と伝える
(8)
聴き取りが不十分であっても、誠意を伝え次の面接を約束する
 いじめが発覚したときは、被害生徒に事情聴取し、保護します。保護には、被害者の生徒と信頼関係が確立している教職員が当たります。生徒が話したいときに耳を傾けることが最も効果的です。
 いじめ対応の大原則は被害者保護です。全校指導体制を構築して被害を受けることのないよう、全員で「守る」必要があります。
 被害生徒が支えられているという安心感を実感できるよう目に見える具体策を実行します。
(1)
校内巡視
(2)
授業引き継ぎし、いじめられている生徒から教師が目を離す時間帯をつくらない
(3)
必要に応じて、被害生徒または加害生徒を別室で指導する
(4)
保護者及び地域等との連携による登下校時の監視
(5)
被害生徒への担任等による個別面接の継続
(6)
被害生徒との信頼関係のある教職員との電話・メール等のやりとり
(7)
被害生徒と関係の深い生徒等による支持的かかわりの依頼
(8)
ピアサポート活動による被害生徒への支援
(9)
PTAと一体となった取り組み
(10)
いじめ相談カードの配布等、相談機関の周知
(11)
犯罪行為として取り扱ういじめの警察等へ通報
(12)
加害生徒への指導状況を被害生徒・保護者へ報告
 いじめが起こった場合、被害生徒の二次被害で最も憂慮されることは、絶望感からの自死問題と、攻撃に転じた復讐です。被害生徒との間に誰かが絆を切らないように繋がることが求められます。
 加害生徒からの事情聴取と指導を行います。生徒指導主事が加害の中心となっている生徒から事情を聴きます。いじめは絶対に許されないという毅然とした態度を持ちつつ、自らの非に気づけるようにすることが目標となります。
 被害生徒の保護者に報告をします。
 直接会って話します。来校の労をねぎらい、保護者の気持ちを受容します。判明している事実を系統的に説明します。保護者の心情を理解し、訴えに十分耳を傾けます。
 被害生徒を守り抜く具体的な実行策を説明し、決意を理解してもらう。教育相談による「心のケア」、家庭との定期連絡などの提案を行います。
 加害生徒への指導、加害生徒の保護者への協力要請、学級指導等について、保護者の意向を確かめながら、今後の指導を確認していきます。
 加害生徒の保護者への基本的な対応
 加害者の保護者に来校を求め「今できることを一緒に考えましょう」という姿勢で臨みます。判明した事実を伝えます。保護者の言い分には耳を傾けます。
 話し合いは「いじめの非」に対しては一歩も譲ることなく、保護者と共に加害生徒の立ち直りをめざした支援について知恵を出し合うようにします。
 被害者への謝罪は、事前に被害者の保護者の意向を聴いておきます。
 いじめたことを真に反省し、被害生徒の受けた不利益を取り戻すために何ができるかを話し合います。
 被害生徒とその保護者への謝罪方法、手順等を決めます。
 被害生徒が暴力で傷害を負った場合は、治療費等、恐喝では金品の弁済が問題になります。さらに刑法に触れる違法行為があった場合には、警察への告訴が予想されます。
 このような問題については、過去の事例を挙げるなどして保護者に心の準備をしてもらう必要があります。
(
嶋﨑政男:1951年生まれ、東京都立中学校教師・教育研究所指導主事・中学校長等を経て神田外語大学客員教授)

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