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「朝の会・帰りの会」の5分間はクラスを変える力となる

 朝の会は「子どもが公的な存在になる」、帰りの会は「公的な存在から子どもに戻る」特別な時間です。
 子どもたちは毎朝、多様な背景のある家庭を出て、教室に入り「公的な存在」になります。
 学校生活は多くの子どもたちの感情の中に身を置きます。結構な疲労感をもって帰りの会を向かえる子もいることでしょう。
 朝の会は子どもたちの学校への適応を握る重要な時間です。子どもたちの適応を促進するような活動を実施することは意味のあることです。
 毎日、朝の会・帰りの会において、5分間で学級によりよい雰囲気をつくるための活動をするのです。
 朝、ちょっと子どもたちをあたためて、やる気にさせて授業を始めたり、1日の終わりに、少しほっとさせて家に帰すことができたら、子どもたちの1日はずいぶん軟らかなものになるでしょう。
 学級にどのような雰囲気を育てればよいのでしょうか。
 学級は、子どもたちの自己実現を支援するところです。自己実現は挑戦の繰り返しによって起こり得るものです。
 挑戦の原動力はやる気です。学級は子どもたちのやる気を高めるところです。
 子どもたちのやる気は
「できないことが、できるようになった」「わからないことが、わかるようになった」
という達成感にかかわる実感と
「誰かと、つながった」「誰かの役に立った」
という関係にかかわる実感が持てたとき、自分への肯定感が高まり、やる気が高まります。
 学級生活で、子どもたちのやる気を高めるには
「つながりの中で課題を達成すること」
が求められます。
 子どもたちの挑戦の意欲を高めるにはどうすればよいのでしょうか。
 最初の一歩を踏み出すには、教師との関係性における安心感が必要です。
「この教師は、安心できる人だ」と実感ができれば、子どもたちは教師のうながしによって仲間とかかわろうとし始めます。
 クラスの子どもたちと関わるためには、傷つけられないという実感が必要です。みんなでクラスのルールや対人関係におけるマナーを守ろうとする雰囲気が必要です。
 温かな結びつきができてくると、子どもたちは、互いに助け合ったり、学級の問題を自分たちで話し合って解決したりすることが可能になってきます。
 温かな結びつきは、子どもたち一人ひとりに学級内で居場所をつくります。居場所ができると子どもたちは学級を好きになります。
 クラスの子どもたちとの信頼関係に基づいて、課題を解決する「できた、わかった、つながった」という実感は、子どもたちのさらなる挑戦の意欲を引き出していくことになります。
 私が小学校の教師だった頃、こだわっていた実践があります。それは子どもたちの誕生日を祝うことです。
 ホームセンターで発泡スチロールの板を買ってきて、直径40センチくらいの円を切りぬいて積み重ね、30センチくらいの高さのバースデーケーキを作りました。真ん中には太めのパーティーキャンドルを立てました。
 4月に最初の誕生日を迎える子に黒板の前に立ってもらい、
「みんなには一人ひとり誕生日があるよね。先生はその日が嬉しくって仕方がないんだ」
「だから、今日からみんなのお誕生日を祝わせてね。ケーキを用意したから」
 風呂敷で包んだバースデーケーキを教卓に乗せました。その風呂敷を取ったときのあの歓声を今も忘れることができません。
「おおー」「先生、ホンモノ?」「作ったの?」「すごーい」 
そして、ギターを弾いて、子どもたちと共にハッピーバースディを歌い、その子の誕生日を祝いました。
 そのときの子どもたちの嬉しくてたまらない顔が、自分の仕事の原動力になったと思います。
 前年度、学級崩壊し、問題が頻発していた子どもたちが、この小さなお誕生日会をすると、笑顔になっていました。
 その日の帰りの会は、間違いなく温かな時間でした。そして、気づいたとき、その5分間の雰囲気が教室の日常の雰囲気になっていました。
 どんな状況にあろうとも、教室の雰囲気をつくるのは、ほかならぬ教師であるあなたなのです。
 どんな1日であろうと、子どもたちの学校生活を朝の会・帰りの会の良好な雰囲気で包み込み、1日を「いろいろあったけどよかったな」と締めくくるようにすることができたら、それはとてもステキな学級生活とは言えないでしょうか。
(
赤坂真二:1965年新潟県生まれ、上越教育大学教授。学校心理士。「現場の教師を元気にしたい」と願い、研修や講演を実施して全国行脚。19年間の小学校勤務では、アドラー心理学的アプローチの学級経営に取り組み、子どものやる気と自信を高める学級づくりについて実証的な研究を進めてきた)

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