保護者に信頼されるにはどのように話せばよいか
教師にとってはモンスターペアレントという言葉は聞きたくないかもしれません。でも、必要以上に恐れることはありません。
というのも、根っこからのモンスターペアレントなんて、ほとんどいないからです。大多数は普通の保護者です。
ただ、その普通の保護者がモンスターペアレントになってしまうのは、教師の対応のまずさが原因です。
教師は第一印象が大切です。「あの先生は冷たい感じがする」など、ネガティブな悪い印象が一度ついてしまうと、いくら子どものためにいい話をしても、スッと入っていきません。
何よりも大切なことは「笑顔で話す」ということです。
笑顔で話されるだけで、なんかいい気分になります。話を聞こうという気持ちになるのです。それは、笑顔には、相手の心を安心させ和ませる力があるからです。
まずは、笑顔で保護者に話しかける。教師が笑顔で話しかけると、保護者も笑顔で返してくれます。
ふだんのなにげない一コマから、保護者との信頼のパイプをつないでいくのです。
次に気をつけることは、ていねいな言葉づかいです。ただ、ていねい過ぎるのも問題です。お世辞笑いや太鼓持ちのようなわざとらしいおべっかは、すぐ見破られ、悪い印象を与えてしまいます。
また、逆に保護者に「なめられてはいけない」と、専門用語を使ったり、上から目線で話す若い教師をたまに見かけることがあります。「先生」と呼ばれて、いい気になってはいけません。
クラスの子全員をしっかり見ているつもりでも、意外と見落としている部分もあります。
個人懇談で、一人ひとりの子どもの様子をしっかりと話すのはかなり難しいことです。
そこで、私は子どもに聞いてみようと、毎月、子どもたちに「振り返り」を書かせることにしました。子どもたちの変化もよく分かります。
「がんばっている友だちを教えてください」
「休み時間、一緒にいる友だちを教えてください」
という項目を入れると保護者にも好評です。
個人懇談で 「△△をがんばっているんですよ。○○くんが教えてくれました。友だちも認めるほどのがんばりなんです」
という話が懇談でできるようになりました。
友だちからも認められているという話を保護者が聞いて喜んでくれます。
(俵原正仁:1963年生まれ、兵庫県公立小学校教頭、笑顔の教師が笑顔の子どもを育てる実践はマスコミにもとりあげられた)
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