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親が「万引きの原因は学校にある、信じてやれるのは親たけだと言い張る」とき、どうすればよいのでしょうか

 被害を受けた店が、警察に被害届を出しました。その店に行って事情をお聞きしますと「今回だけでなく、以前から商品がとられるたびに、Aくんの他、三人の生徒をマークしていた。今回は防犯カメラに犯行が記録されている」とのことでした。
 
「息子が恥ずかしいことをしてしまった。すぐにでも店に謝罪にいきたい」と、言って子どもに反省を促す親の横で、Aくんの父親は「息子は、学校生活に満足できないと、いつも家で言っていた。万引きはいけないことだが、息子がそれをした原因は学校にある」
「学校の先生は、一方的に私の息子を疑っている。息子が主犯格だと決めつけているが、家で本人に聞いたら『友だちに声をかけられたから』と言っている」
「この子を信じてやれるのは、私たち親だけだ。誰が何と言おうと、息子を最後まで信じてやりたい」
 これに対して、学校側は「まずは事実の確認が大事なこと、被害にあった店への謝罪が必要ではないか」と、伝えたのですが、納得していただけませんでした。
 他の親のみなさんも、同じ歩調をとるようにとAくんの父親に言葉をかけたのですが、結局、別々に対応することになり、店の人も不信感を持たれたようでした。
 このような場合、どう対応すればよいのでしょうか。
「最後は私たちだけ」という言葉を裏返せば「学校を信用していない」ということです。
 Aの父親は様々な体験から、一種の人間不信の状態になっていると考えられます。
 
「こうすべきだ」との説得はひとまず控えて、父親の言い分をよく聞き、親が冷静に考えられる状態になってから
「今後のAくんにとって、どのような方法がいいのか、一緒に考えてみましょう」と話しかけるとよいでしょう。
(
諏訪耕一編集:1937年愛知県生まれ、元愛知県公立中学校教師。長野県に不登校の子どもの回復施設「浪合こころの相談室」を開設した)

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