保護者のイチャモンは、教師が子どもと「ふれあう時間」が減少すればするほど増える
私が2000ぐらいの事例を集めた結果からいえる大原則は
「子どもとふれあう時間が減少すればするほど、イチャモンが増える」
当たり前のことですが、保護者はわが子がどのようにあつかわれているかに最大の関心を持っています。
担任がわが子のことをじっくりと見ていてくれるという安心感があれば、多少のトラブルは、すぐに解決に結びつくことが多いと思います。
しかし、合理性がどこまであるのか疑わしいような教育改革が、学校現場で渦巻いています。教師は職員室で書類に目を通しているか、パソコンに向き合っている状態です。
私が学校現場を歩き回ってみて、教師が子どもと接する時間が大幅に減ってきている実態を実感しています。
子どもと教師が接する時間が減れば減るほど、行きちがいが発生する可能性が高くなります。
また、同じように忙しく立ちまわっている保護者と子どもの間にもズレが生じることでしょう。それは教師と保護者とのズレにもなります。
もし、子どもと教師が接したり、話したりする時間があれば、かりにトラブルが生じたとしても、それが大きくこじれることはないと思います。
しかし、その時間やゆとりが学校現場から急速になくなっていることが問題です。
重ねていうと、だからこそ、子どもたちの前に教師を「戻す」ということがいま、緊急に求められていると思います。
保護者のみなさん、学校というところに、ぜひ一日でも二日でもいいから、先生に小判ザメのように張りつくかたちで、いっしょに動いてみてください。
「そんなヒマないわ」と思われたら、一時間でも結構です。
いま学校の教師が、どのようなサイクルで、どう行動しているか、見ていただくと、よくわかるはずだと思います。
(小野田正利:1955年生まれ、大阪大学教授。専門は教育制度学、学校経営学。「学校現場に元気と活力を!」をスローガンとして、現場に密着した研究活動を展開。学校現場で深刻な問題を取り上げ、多くの共感を呼んでいる)
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