教師は電話の対応や保護者対応を誰からも教えられない、保護者のクレーム電話にどう対応すればよいのでしょうか
教師は電話の対応を誰からも教えられないし、保護者との対応もほとんど学ばない。教師は自己流や見よう見まねでやっている。
当然、保護者からクレームの電話があると、その対応にとまどう。どう対応すればよいのでしょうか。考えられる対応の方法をつきに示すと、
(1)保護者の言いたいことを真摯に受けとめようと努める。
(2)保護者の言い分を否定したり、さえぎったりせず、保護者が話したいことをじっくりと十分に聞く。
(3)保護者の話を聞き終わったら「ご迷惑をおかけしました」など、保護者の気持ちを、やわらげる言葉をかける。
(4)保護者の感情的な言葉に惑わされたりして、教師が感情的にならない。
(5)教師は保護者を理屈でやりこめないで、穏やかな表現を使う。
(6)教育の専門用語などを使うことは避ける。
(7)高圧的な言葉づかいをしない。
(8)用件をメモし、自分一人で急いで解決しないようにする。
(9)教師は自分の手に負えないと判断したら、すぐに応対できる人に代わる。
(10)面談の機会をつくり、じっくりと話し合うようにする。
(11)クレームがあったことを主任、教頭などに伝達する。
(12)回答を求められれば「いつ頃までに」「誰から」「どんな方法で」伝えるか話す。
(13)処置はスピーディーに行う。
教師は保護者との日常の関係を良好にしていることが大切である。何か起きたからと、その場のみ、コミュニケーションに努力しても効果があがらない。
信頼感は、日常の取り組み態度から判断されることが多い。信頼される教師は努力して信頼されるようになろうとした結果である。
保護者に信頼されようと努力することがコミュニケーション技術を高めるのである。そのためには、
(1)保護者の立場を考え、率直、開放的に話し合いができる雰囲気を教師がつくる。
(2)保護者が理解しやすい言葉づかいや行動をとる。
(3)保護者に誠実な印象を与える。
(4)問題解決に役立つように話し合いを進める。
(5)良い結果になるよう、導く努力する。
(高階玲治:1935年生まれ、小・中学校教師、北海道立教育研究所、盛岡大学教授、国立教育研究所企画調整部連絡協力室長、ベネッセ教育研究所所長、ベネッセ未来教育センター所長を経て教育創造センター所長)
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