私が新任で担任して起きた、いじめ、保護者のトラブル、パニック事件とは
初任で小学校4年の担任になりました。夏休みに子どもたちは大きく変化しました。ギャングエイジに突入し、先生よりも友だちが最強な時期となったのです。
9月になって、子どもたちは落ち着きがなくなりました。
話には聞いていたものの、子どもたちの変化に驚き、戸惑いました。どう接したらよいのか、迷いが生まれました。
運動会が9月下旬にあるので、熱いさなか、連日練習ざんまいの日々でした。
運動会当日の朝、子どもたちは興奮して騒がしくしていました。
Aさんを真ん中にしてクラスの4名がキャッチボールをしていました。Aさんにわざと当てて、いじめているような様子が見られました。
あわててやめさせましたが、十分な指導をすることができず、保護者を交えた指導にまで発展し、11月頃まで尾を引きました。
運動会の準備や学年の仕事、初任者研修などに追われ、子どもたちと向き合う時間が少なかったこと、子どもの変化に気づけていなかったことを思い知らされた事件でした。
いじめ事件が発生した後、落ち着くまで時間がかかったこともあり、クラスの中にはぎこちない雰囲気が漂っていました。
Cさんの母親は、わが子がクラスの中で浮いているのではないかと気にしていたようです。その中で、BさんがCさんの母親のことを「○○さん(男性ミュージシャン)に似てるね」と言ったことが大きな問題になりました。
Cさんの母親は、わが子のみならず、自分もバカにされているのではと、感情的になったのです。最終的には「弁護士を呼ぶ!」との騒ぎにまで発展してしまいました。
この件を経験して、保護者が孤立し、思い悩むことのないよう、日頃からの連携が大切であると、しみじみ感じることになりました。
2月のある日の掃除の時間に、いつもリーダーシップを発揮するDさんが「オバケがいる!」と叫びました。私は「大丈夫、いないよ」と言って、5時間目の準備のために職員室へプリントを取りに行きました。
教室に戻ってみると、クラスは大騒ぎになっていました。やんちゃな子がクラス中に「オバケがいる」と言いふらし、恐がりな子たちは泣き、他の子どもたちも「見える」と言いだし、パニック状態になっていたのです。
パニック状態がエスカレートし、45分間泣き続ける集団ヒステリー状態になり、私はなすすべもなく立ちつくしてしまいました。指導教員から学級崩壊と言われました。
私が、クラスの統率力がなかったせいで収束できなかったのか、もっと効果的な話し方があったのか、今でもどうすればよかったのかがわからない事件となりました。
(山田桃子:小学校教師)
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