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保護者は苦手という教師が多い、保護者によい教師だと言われるようになるにはどうすればよいか

 保護者は苦手という教師が多い。そういった教師に共通する傾向は「どうつきあっていいのかわからない」からである。次のようにつきあってみたらどうだろうか。
(1)
保護者との会合をふやす
 保護者の本音は、教師と仲よくしたいのである。その願いにこたえるには、しばしば顔をあわせて、人間的な接触を深めることである。
 教師も保護者も、ともに交わりの能力が衰えてきているから、顔を合わせることを増やしていかなければ、相互理解は深まらない。
 学級通信だけ配布していれば、保護者との協力関係がすすむというものではない。
 しばしば顔をあわせていると、本音なとどがでて、両者の垣根も除かれていく。
(2)
ざっくばらんに率直に接する
 若い教師のなかには、保護者の前に出ると、
 
「バカにされないようにしよう」
 
「ケチをつけられないようにしよう」
 
「保護者が感心することを言おう」
 と、そんなことばかり気にしている例が多い。
 そうではなく、もっとざっくばらんに率直に接することである。
 わからないことは、わからないと正直に言えばよい。
(3)
教師くささを捨てる
 教師くささを捨て、一般的な社交儀礼にのっとって、交際すればいいのである。世間知らずの教師では、いまどきの保護者と楽しく談笑できないだろう。
(4)
子どもの悪口はいわず、子どものなかにある良い面を知らせる
 教師の接しかたひとつで、保護者の態度も変わってくる。それには、保護者に子どもの悪口を言わないことである。
 親は教師からの、わが子の非難の言葉にうんざりしているのである。
 保護者に子どもの話をするときは、子どものよい考えや行為を取り出して、知らせるようにする。
 そうした子どものとらえかた、人間観が保護者を変え、教師への信頼を回復させるのである。
(5)
保護者と一緒に考えていく
 教師が子どもの指導で困っていることは、実は、保護者も困っていることが多いのである。
 だから、保護者の責任を追及したってはじまらない。
 保護者といっしょに学習し、研究しながら「どうしたら、子どもがよくなるか」さぐることである。
 こうやってつきあっていくうち、お互いの気心も知れて、保護者の不信感、警戒心もうすらぎ「教師にだけは隠しておきたかったこと」も「先生にだけは話しておく」ようになる。
 親が「いい先生だ」といえば、子どもも「いい先生だ」となりやすい。子どもの指導が成立する条件が整うことになる。     
(
家本芳郎:19302006年、東京都生まれ。神奈川の小・中学校で約30年、教師生活を送る。退職後、研究、評論、著述、講演活動に入る。長年、全国生活指導研究協議会、日本生活指導研究所の活動に参加。全国教育文化研究所、日本群読教育の会を主宰した)

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