« 子どもが問題行動をしたとき、子どもを理解して叱るためにはどうすればよいのでしょうか | トップページ | 新任で担任を受け持った一年間は困難や苦悩に満ちたものでした »

学級崩壊の原因に子ども、保護者、教師がどのようにかかわっているか

 学校現場では学級崩壊の原因は何であるか問われます。まじめな教師は自分自身の問題と、常に問われているような感覚に陥って精神的にまいってしまうこともあります。
 学級崩壊が生じるときの原因は、大きくわけると、子ども、保護者、教師、社会と4つに分けることができます。その内3つについてとりあげてみます。
1 子ども
(1)
子どもは内面にいらだちや不安を抱いている
 学級崩壊の発端となる子どもとしてあげられるのは、内面に「いらだちや不安を抱いている」ということです。それが教師に対する反抗やいじめなどの行動で表現するわけです。
(2)
周囲の子どもたちは楽な方に流れる
 正義感はあるが、立ち向かわない。周囲の子どもたちが、まあ楽な方がいいやと、学級崩壊を助長する傾向があります。自分に火の粉がかからないようにしようというタイプの子どもたちが多いときに起こりやすい。
(3)
ルールを守らない
 ルールなんて守らなくていいんだ、という感覚を持っていて反発する子どもがいます。
 ルールを守らないと他の人と仲良くすることが難しくなる、という経験が少なくなっています。クラス全体にそういった空気が漂うと学級崩壊が広がりやすくなる。
(4)
教師の言うことは正しく、守らないといけないという気持ちが減少している
(5)
集団行動が困難な子どもたちが増えている
 身辺の自立ができないような子どもが増え、きちんとすることができず、集団が苦手な子どもたちが増えている。
(6)
幼児期に受けた教育やしつけなどの個人差が大きくなっている
 幼児教育や家庭でのしつけなどが、以前よりも子どもたちの間で差が大きくなっている。
(7)
年上の人を敬い尊敬する感覚が乏しい
 大人をばかにしている子どもたちが増えています。父親的な権威が失墜して教師を敬わなくなっているのです。教わるという関係が崩れ、軽く受け取られて、学級崩壊が起こりやすくなっています。
(8)
生活経験が乏しくなり、対人関係がへたになっている
 少子化時代で、きょうだいケンカして仲直りするといった経験が少なくなっていて、対人関係がへたになっているのです。
2 保護者
 保護者が教師を尊敬していないと、子どもたちは敏感に反応して真似ていることがあります。
 そういう意味では、学級崩壊の発端となる子どもの保護者は教師や学校に対しての信頼感が少ないという特徴があります。
 現代社会は知らない者同士が寄り集まっていて、誰しも疑心暗鬼になっています。
「今年の担任は大丈夫だろうか?」と信用していないために、教師への質問や要求は多くなります。こういう状況の中では、ささいなことでトラブルに発展していきます。
 結局、担任を信用していないので、話し合って妥協するとか、解決するということが、なおざりにされて、どっちが正しいのかと迫ってくる保護者が多くなっているのです。
 ますます教師が安心して教育することが出来にくくなっています。
 家庭でのしつけの部分を教師におしつけたりする保護者も学級崩壊につながる子どもたちの親としてあげられます。
3 教師
(1)
教師への求心力が低下している
 以前、教師は信用され尊敬されてきたので、自ずと求心力は備わっていたのですが、現代では教師が自ら努力して身につける必要が起こっているのです。
 教師という仕事は、対人関係を中心としていて、子どもたちみんなを引き上げる力を必要とする職業なのです。
(2)
柔軟性に欠ける
 
「○○でなければならない」「△△するべきだ」が強すぎるガンコな教師は、現代の学校ではうまく指導できなくなっています。
 最近の保護者のあり方とずいぶん食い違ってきているためにズレが生じているのです。
 それは、子どもたちにも反映されてきていて、強く指導しようとすると子どもたちに反発されて、うまくいかないことがしばしば起きています。
 
「以前うまくいっていた指導が通らくなった」という教師の言葉が聞かれます。
 子どもたちの姿と教師の姿に大きな隔たりがあるとうまくかみあわいのです。柔軟性が求められます。
(3)
人間関係が苦手
 子どもたちとうまくいっていても、保護者のほうから問題が投げかけられてくることもあります。
 それは信頼関係づくりの失敗ということになるのですが、教師自身、対人関係、特に大人との人間関係が苦手な教師にそういう事態が起きるときがあります。
 そういう場合は、決まってその教師は管理職や周囲の教師間でも孤立していて、周りから不信感を持たれているのです。つまり学校の中で信用を失っているときも学級崩壊の発端になります。
 また、それは学校全体の雰囲気に問題があったり、教師間の連携に障害があったりもしますので、管理職の責任でもあります。
(
川畑友二:長崎大学附属病院、関東中央病院神経精神科医長を経て、クリニック川畑院長。児童分析臨床研究会代表)

|

« 子どもが問題行動をしたとき、子どもを理解して叱るためにはどうすればよいのでしょうか | トップページ | 新任で担任を受け持った一年間は困難や苦悩に満ちたものでした »

学級崩壊」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 学級崩壊の原因に子ども、保護者、教師がどのようにかかわっているか:

« 子どもが問題行動をしたとき、子どもを理解して叱るためにはどうすればよいのでしょうか | トップページ | 新任で担任を受け持った一年間は困難や苦悩に満ちたものでした »