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生徒指導が得意になるためには、どのような秘訣があるでしょうか

 生徒の指導に迷いはつきものです。叱るのかほめるのか、突き放すべきか寄り添うべきか、厳しく接するのか優しく接するか、断固として貫くべきか自主性を尊重すべきか、などと迷います。
 考え方が明確でないから迷うのです。
 生徒の指導というものにはマニュアルが存在しません。10人の生徒には10人の物語があり、10種類の指導が必要です。
 10種類の処方箋を身につけるのではなく、処方箋のつくり方を知るほうが早道なのです。だからこそ考え方が大切なのです。
 生徒指導にマニュアルが存在しないので、先輩の実践から学ぶことです。ただ真似をしても、生徒が違えばうまくいきません。
 マニュアルはなくても「考え方」はあります。この考え方を身につけると大きな失敗を減らすことができます。これから起きるだろうという問題も予測し、早めに的確な対応ができます。
 教師の経験だけでは指導できません。
 先輩の実践から「ここだ!」という秘訣やコツを会得するのです。ここが自分とは違う優れたところを見つけるのです。それをメモすれば、指導力は磨かれます。 
 教育書を読まずに経験だけに頼っていては、考え方はいつまでも増えません。
 教育書で学んだ考え方は、自分流に修正します。新たな考え方で実践し、また修正します。別の考え方があれば、つき合わせてさらに修正して実践します。教育という仕事はこのくり返しです。
 生徒を指導するには、原因となるものを見つけて方針を立てます。それには、困った場面や困った生徒をよく観察することです。
 教師が生徒の話を聞き、それを読み解くことに意味があるのです。読み解くには時間と根気が必要です。
 表面的な原因ではなく、根っこを見つけるのです。根っこだと思う根っこを指導すればよいのです。
 生徒の指導に行き詰ったときの打開策をあげると、
 先輩教師に相談する、実践家の本を読む、保護者に相談する、生徒の友だちに知恵を借りる、学級でアイディアを募集する、学級通信を使って世論を喚起する、などが考えられます。
 あの先生が言うと指導が入るのに、自分が言っても生徒は従わないことがあります。ここには簡単な原理が働いています。
 好きな人から何か言われても「そうかも」と思ってしまうのに、嫌いな人から同じことを言われてもムッときて反論したくなります。
 ましてや尊敬している人から言われると、反省してしっかりやろう、という気になってしまうものです。
 仮に、いろいろな技術に熟達していても、生徒に好かれ尊敬されていないと、生徒は納得してくれません。
 特に、生徒指導の場面では、どうしても「好かれて尊敬されている」ということが大切になるのです。
(吉田 順:1950年生まれ 37年間横浜市立小・中学校に勤務した。担任32年、生徒指導部長16年、学年主任13年などを兼任した。生徒指導ネットワークを主宰。生徒指導コンサルタントとして全国の学校と関わる)

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