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教師と子どもたちがつながるためのメッセージとは

 「教師の言うことは聞かなければならい」と思う子どもたちは、中学生では2割を切りました。教師の話は聞かなければと思う子どもたちは減っています。
 子どもたちのそのような見方がある中で、教師が「生徒がこうあるべきだ」という考えで高圧的に強く指導したとしても、うまくいかなかったりすることがあると思います。
 中学生にとって、教師よりも、友だちからどう見られているかを重視します。
 現代の学校の生徒指導には「この先生の話だったら、聞きたいな」という、教師と生徒の信頼関係が必要です。
 生徒は自分を理解してくれている教師の言うことを尊重します。教師は生徒理解を大切にし、信頼関係を結び、生徒と「つながる」ことが必要だと思うのです。
 次のようにことがありました。
 私が赴任した学校は、集会をするとき、整列するにも時間がかかり、私語が止まない。
 集会が終わるとお菓子のゴミが散乱し、空き教室では携帯電話から流れる音楽が爆音を響かせる。一般の生徒も、平気でお菓子を食べている姿がありました。
 私と同時に赴任して来たY先生が、私と同じ学年の学年主任をされました。
 学年集会でY先生が学年主任として、次のように話しました。
「つながってくれぇ!」という体育館に響きわたる大きな声を出し、驚いて多くの生徒がY先生の方を向きました。すると、
「ありがとう、つながってくれて」と、Y先生は言いました。 
 やんちゃな生徒が「何言ってんだ、うるせーぞ」と言うと
 Y先生は「ありがとう。反応してくれて」
 私語をせず話を聞いてくれている生徒に
「こっちを向いてくれるひと、ありがとうな」
「今、目が合ったひと。ありがとう、つながってくれて」
 Y先生は、話の中で何度も
怒鳴るような声で「つながってくれぇ!」
微笑みながら、優しく、ささやくような声で「ありがとう」
を繰り返しました。
 私は、あっけにとられました。おそらく、生徒もあっけにとられたでしょう。
 年度始めの学年集会でY先生の存在を生徒たちに大きく伝え、Y先生の価値観を伝えることになったと思います。
 集会で整列し、私語をせずに話を聞いている生徒たちを見逃さず、
「ありがとう」
「きちんとしている、あなたたちの姿を見ているよ」
というメッセージを伝えたのです。
 そして、反発する生徒にも
「反応してくれて、ありがとう」と言って
「反発することも反応のひとつ」であり、「つながる」という意味を広くとらえ、感謝する価値があるというメッセージを生徒と教職員に伝えることになったと思うのです。
 さらに、
「反発する生徒もふくめて、学年全員が大事な存在なのだ」
「教職員は、『お前たち生徒を一人も見放さないぞ!』」
という、Y先生の信念を生徒たちや、教職員に伝えることになったと思うのです。
(
山本宏幸:新潟県上越市立中学校教師)

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