保護者に不信感を持たれ、嫌われ、反発される、改めたい教師の態度とは
自分のあり方を棚にあげて、子育てがうまくいかないのは、すべて学校や教師の責任だとする親、わが子を正しくとらえられない親、非常識な親、身勝手な親がふえてきた。
教師にしてみれば、いろいろと親に言いぶんはあろう。しかし、親のあり方を声高に追究したところで、教師不信にわをかけるだけで、事態を変えることにはならない。
まずは、教師の保護者に対する次のような態度を改めることから出発したい。
(1)専門的態度
教師は教育の専門家だから、しろうとの親はよけいな口だしをするな、教師にまかせておけといった態度である。
(2)啓蒙的態度
一段高いところから、教育の知識がとぼしく、教育の道理が理解出来ない親を、教えてやるのだといった態度である。
(3)事務的態度
冷ややかな対応、木で鼻をくくったような誠意や愛情のない態度である。
(4)観力的態度
いわゆる、いばった態度である。親を学校に呼びつけ、頭ごなしに叱りつけたり、親の責任を追及したりする態度である。
(5)独善的態度
教師は、子どものためになる、正しいことをやろうとしているのだから、親は学校に協力するのはあたりまえだ、とする態度である。
例えば、指導に手をやく生徒がいると「親の顔がみたい」などと、原因のすべては、親のせいだとする風潮もこうした態度から生まれるのだろう。
(6)脅迫的態度
学校の方針にしたがい、教師の言うとおりにしないと、成績や内申書にも影響して、生徒の進路指導に責任はもてない、どうなっても知らないぞ、といった態度である。
以上について、教師は日頃の自分の保護者に対する態度をふり返り、問い直す必要がある。
教育は、保護者とともにすすめる仕事である。教師と保護者が手をとりあって、仲よく教育しなければ、子どもの成長は保障されない。保護者と教師は「共育」のパートナーなのである。
(家本芳郎:1930~2006年、東京都生まれ。神奈川の小・中学校で約30年、教師生活を送る。退職後、研究、評論、著述、講演活動に入る。長年、全国生活指導研究協議会、日本生活指導研究所の活動に参加。全国教育文化研究所、日本群読教育の会を主宰した)
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