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保護者からの苦情はチャンスだ、うまく対応できれば信頼され、味方になってくれる、その方法とは

 誰しも保護者から苦情を受けるのは嫌だろう。しかし、うまく対応できれば、信頼が上がる。苦情はチャンスだと思うべきだ。そうとでも思わなければ、やってられない。
 保護者から苦情の電話があれば、まず「はい、はい」と声に出して、うなずきながら聞く。
 そして、ときどき、保護者の言葉をくり返す。たまに「なるほど!」「そうですよね」などの言葉を入れるとよい。
 共感的に話を聞いて、保護者の気持ちを落ち着かせる。保護者が話し終わるまで、しっかり聞き続けるのがポイントだ。
 そして次に、保護者に対応策を説明し、相談して確認する。
 保護者の苦情に対して、教師がどう対応しようと思うのか説明して、保護者の意見を聞く。
 保護者の意見を取り入れて対応策を決めたら、くり返し言って確認する。
 そして「これでよろしいですか?」と保護者の許可を得る。許可を得れば「お墨付き」の対応策であるから、うまくいっても、いかなくても、自信を持って対応できる。
 最後に、最も大切なのが、実際に子どもたちに対応した後だ。必ず、保護者に報告の電話をする。
 
「昨日はお電話、ありがとうございました」と、昨日の電話のお礼を言ってから、報告の話を始める。
 子どもたちに対応した時の様子などを説明した後は、
 
「まだ子どもなので、また同じことをくり返すかも知れません。その時には、また、お電話いただけると私も助かります。ぜひ、よろしくお願いします」
と、言っておく。もちろん、もう二度と電話がかかってこないことを祈りながらである。
 電話を切る前に、
 
「今回は本当に申しわけありませんでした。お電話、本当にありがとうございました」
と、謝罪と感謝の言葉を言う。
 対応後の報告の電話に驚かれる保護者が多い。それだけ、報告の電話を省略してしまう教師が多いということだろう。
 対応後に、報告の電話をしよう。それが、保護者の信頼を勝ち得る一番のポイントである。
 苦情の電話を受けたら、ピンチはチャンスだと思い、策略を練って対応しよう。うまく対応ができれば、保護者は、きっとあなたの味方になってくださるはずだ。
(
中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ、多くの学生に向けて講演も行っている)

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