3学期の学級づくりで課題となることは、なんでしょうか
学級づくりの最終ステージの3学期は、日にちも少なく、感覚的にも早く日が経ちます。
3学期は、新しい年の始めでもあります。「今年の抱負」などを書かせ「カルタ」にするなど、工夫を凝らして発表させ、1年のスタートの動機づけにするとよい。
「3学期はクラスの仕上げの時期だ」ということを、教師と子どもたちが共有し、3月の終業式(卒業式)時における学級づくりの到達点をイメージしながら、そこにいたる筋道を教師が子どもたちに示すことが必要です。
まず、子どもたちが、2学期末までを「振り返り」、明らかになった課題一つひとつについて、3月までに学級で「やるべきこと」「やれること」を考えます。
例えば「男女がまだ仲良くできていない」とするなら、男女仲よく遊べるようなイベントを考えます。「グループ学習がうまくいっていない」なら、グループ学習の強化をめざします。
こうして、教師と子どもが共に「3月までの間に何をしたらいいのか」ハッキリさせ、確実なスタートをさせることが1月の学級づくりの課題です。
2月に入れば、いよいよ終わりだという意識が子どもたちにも芽生えます。
4月からの1年の終わりが近づいた2月のクラスの有り様の中に、この1年が凝縮されるかも知れません。
4月当初に決めた学級目標に照らして、いまだ達成できていないことはないかを学級で話し合うとよい。
まだ達成できていない課題が見つかれば、それを達成できるよう、班長会などで具体的な成果が見えるような取り組みを考え、学級に提示します。
学級としての具体的な課題に加えて、一人ひとりの子どもに「終業式(卒業式)まで○○をがんばる」というような具体的な目標を考えさせ、それを「メッセージ・カレンダー」にして掲示するのもよい。
その一方で、この時期は「残り少ない」ことから、緩みがちになる時期でもあります。これまでできていたことが、ときには急速に崩れるのもこの時期です。
子どもたちに、4月当初に比べて「学習」や「生活」に対する意識や姿勢が崩れていないか、自己点検します。
「学習」に取り組む姿勢や「生活」の崩れている子どもには、家庭訪問を含めて、個別の話し込みなどで、自分を見つめ、その原因をさぐり、次の学年に向けて今一度、意識や姿勢を立直すよう働きかけることが必要です。
朝学習、給食(昼食)、掃除、終わりの会、日(週)直、係り活動など、学級活動が学年当初に比べ崩れていないか点検し、緩みがみられる時は、今一度、立て直して学年を終えられるようにします。
子どもたちの中には「4月からがんばるから」と「今」を避ける子も少なくありません。教師もまた、残り少ない中で「まあいいか」と思ってしまいがちなので、要注意です。
4月からいいスタートを切ることができるためにも、最後まで緊張感をもって、学校生活を送れるようにすることが重要です。
(磯野雅治:1947年京都市生まれ、大阪府公立中学校教師。2008年定年退職。学級づくり交流センターるるる塾を主宰)
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