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保護者から苦情があれば、その時点で教師の負けである。苦情をもらわないようにするには、どうすればよいのでしょうか

 保護者から苦情の電話や連絡帳をもらった時点で教師の負けなのだ。
 本来なら、教師がその問題に先に気づき、先に対応すべきことである。苦情をもらう前に、教師の方から先に連絡するのがベストだからだ。
 保護者からの苦情で、教師がその問題にやっと気づき、対応するのでは遅すぎる。
 苦情は「こんなことも気づいてないの?」という意味合いも含まれていると理解した方がいい。
 そうならないためには「これ、電話がかかってくるかも」「これ、連絡帳で苦情が来るかも」と察知できたら、教師から先に連絡した方がいい。
 そうすれば「この先生は、よく見てくださっているな」と、信頼も上がるだろう。
 もちろん、気づいたこと全てを連絡する必要はない。
 保護者によっては、問題に気づいていない人も多い。その場合、わざわざ問題を顕在化させるのがベストだとは限らない。
 また、保護者のキャラクターにもよる。丁寧な電話連絡を喜ぶ保護者もいれば、面倒くさいがる人もいる。
 問題の大きさや保護者のキャラクター、その他いろいろなことを考えて、教師が連絡すべきかどうか判断するしかない。
 
「どうすれば、大きな問題にならないか」を最優先に、決断するしかないのである。
 もし、保護者から苦情の連絡があれば、教師は
 
「教師が先に連絡すべきことなのに、保護者が思い悩んだ末に、勇気を出して、わざわざ先に連絡をしてきてくださった」
「自分の連絡が遅かったことが原因だ」
と考えるべきである。
 しかも、教師の答えが
「様子を見てみましょう」
「管理職に相談してみます」
「学年で相談してみます」
では、保護者は納得がいかない。
 もちろん、そういう回答しかできない場合もあるだろう。その場合には、
「様子を見て、○日後に連絡します」
「相談して、明日の○時までには連絡します」
と、はっきりと期限を示して、約束することが必要だ。そして、約束の期限までに回答する。
 教師が先に連絡をせず、申し訳ないという気持ちを持って、できる限り誠実な対応をするしかない。
(
中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ、多くの学生に向けて講演も行っている)

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