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苦情・クレーム処理のプロである私が、苦情・クレームの対応でとる基本姿勢とは

 私の苦情の対応でとる基本姿勢とは「相手を持ちあげる」ことです。
 相手を持ちあげるのは、気持ちよく話してもらうためです。もし、こちらが尊大な態度をとったら、相手は敵対心を持つでしょう。
 しかし、こちらが相手を持ちあげる姿勢をとっていても、感情的な態度で接してくる相手もいます。
 ひどい時には、怒号を浴びせたり「役立たず!」などと人格否定をする言葉を投げてきたりします。
 これに感情で応えてはいけません。常に冷静に相手の発言を受けとめ、話をさえぎらないようにします。
 なぜ話をさえぎらないかというと、話の中に相手の本音が見えてくるからです。
 とにかく、相手が納得するまで、しゃべらせます。そうすると、会話の中に何度も繰り返す言葉が出てきます。
 そこに本音が隠されているはずです。怒りの背景に何があるのかを理解するきっかけになります。
 これは、相手を持ちあげる姿勢を貫いていればこそです。
 ただし、大切なのは、持ちあげても、へりくだらないことです。すべて相手の言いなりになる必要はないのです。
 時には、毅然とした態度をとるべきです。
 なぜなら「できないことは、できない」と、はっきりと言うことは、相手に信頼感を与えることにもなるからです。
 低姿勢を維持しながら、譲れない部分ははっきりと、言葉づかいは、やんわりと伝えるのです。
 学校での保護者対応においても「相手を持ちあげながら、へりくだらない」という姿勢は基本だと思います。
 とにかく、教師は悩みを個人で秘めないこと。常に管理職に報告してしまうことで、精神的な疲れを半分にしておくことが肝心です。
 報告の際は、苦情の内容、対応をメモしておいた手帳を見ながら行いましょう。
 メモの書き方がよくないことが多い。たとえば、実際は「バカヤロー」と叫んだのに、メモには「大声をあげた」としてしまうことがあります。
 そうすることの何がいけないかと言うと、その場にいなかった人には、相手の怒りの度合いが伝わりにくくなるのです。
 その時の状況がわかるように、言われた言葉などは、できるだけそのままの表現で残します。
(
関根眞一:1950年埼玉県生まれ、苦情・クレーム対応アドバイザー。百貨店に34年間在職し、お客様相談室長を経て、メデュケーション()代表取締役。新新学校保護者関係研究会委員) 

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