保護者対応を最初に面倒くさがると、後で大変な思いをするようになる
保護者対応を最初に面倒くさがると、後々、面倒くさい事態に発展してしまうことが多い。
後で「ものすごく」大変な思いをするぐらいなら、先に「少しだけ」大変な思いをしておいた方が楽だ。私は、このことを経験上、知っている。
最初の対応を面倒くさがって、後でもっと面倒くさい目にあう同僚教師をたくさん見てきたからである。
たとえば、保護者から連絡帳で苦情をもらった時、あなたなら、どうするでしょうか。
私は、連絡帳には書かず、保護者に電話をします。
電話をすれば、相手の様子がよくわかる。連絡帳では相手の様子がわからない。
電話をして、怒りを少しでも感じれば、私はすぐに家庭訪問する。その方が、相手に誠意が伝わるからだ。
家庭訪問をした途端に「先生、わざわざ来てくださらなくても。ありがとうございます」と、怒りが収まるケースさえある。
相手が思っているよりも、一段上の丁寧な対応をすることが大切なのだ。そうすれば、保護者の怒りも少しは収まる。
また、顔と顔を見合わせると、相手はなかなか怒りを表現しにくい。電話では怒鳴る保護者も、面と向かっては怒鳴れない人も多い。
教室で起こったことの責任は、全て担任にある。そう思って、まずは保護者に頭だけは下げておこう。
保護者に協力を求めることもあるだろう。それならば、最初にすべきは謝罪である。
学校で起こったことは、とにかく校長に報告しておく必要がある。校長に報告すれば、学校で起こったことは、校長の責任になる。
私が一番言いたいのは「予防」の大切さである。
学級崩壊してしまえば、為す術はない。いじめが起これば解決は非常に困難だ。やんちゃ君が反抗すれば指導が入らない。
そうならないように「先行投資」して「予防」をしておこう。
面倒くさいと思う気持ちを我慢して、時間と労力を「先に」使って、家庭訪問をしておこう。
多少のコストはかかるが、後でもっと大きなコストを支払うようになるより、よっぽといい。
どれだけ大きなコストをかけても、取り返しがつかないような事態になるより、よっぽどいい。
保護者が教師を信頼していれば、少々のことは問題にならない。
しかし、不信感を持っていれば、どんなことでも問題になる。
(中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。
また、若手教師を育てることに力を入れ、多くの学生に向けて講演も行っている)
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