モンスターペアレントの問題はどうすれば解決できると思いますか、その解決法とは
モンスターペアレントの問題の解決策とはなんでしょうか。2008年に保育士にアンケート調査しました。解決法を自由に書いてもらった結果を次に示します。
(1)保育園依存型の保護者
○園全体で話し合い、できること、できないことをはっきりとさせ、対応を統一する。
(2)心に病を持つ保護者
○パーソナリティ障がいの疑いがあると思われる人には、話を聞くだけ聞いて保護者をスッキリさせ、話の内容は気にせず、受け流す。
○心理の専門職の職員に相談したり、直接、間に入ってもらったり、チームで保護者の心のケアをする。
○あきらめるしかないように思う。
(3)保護者を受容し共感する
○結局、人間関係なので、前向きに取り組んでいく。
○寄り添って心を通わす努力をしてみる。しかし、限界もある。職場の支えがあるかが一番のキーポイントと思われる。わかってくれる仲間がいると心強い。
○今の親は、まず自分を見て欲しい、ほめてほしい、認めてほしいという親が多い。「この先生は、私のことを見てくれている」と感じれば、話を聞いてくれるのではないか。
○日頃から親とのコミュニケーションを密にし、傾聴、共感を心がけ、信頼関係を積みあげていく。
○なんでも親の要望を受け入れるのではなく、子どもにとってどうなのか、子どもにとって最善の利益を共に考えていく。
○常識で考えられないようなことを言ってくる親の場合は。心の奥にある問題を解決しないと難しいと思います。ただし、相手の気持ちや思いを受けとめることが第一段階では必要なことだと思います。
(4)保護者をケアする
○親自身の育ちに問題がある場合もあるので、子どもの成長を一緒に喜び、親を支援しながら、子育ての喜びが味わえるようにしていく。
○親のがんばっている姿を認めながら、親の気持ちを受け止め、言うべきこと、大切なことはキッパリと言って伝えていく。
○親もさまざまなストレスを抱かえ、発散しきれずにいる。親の会(飲み会も含む)を提案すると、親同士も急に生き生きと相談しはじめ、親の会も実現し、交流を持てたようだ。親の孤立感が減り、相談できる人間関係ができたのはよかったように思う。
○親の話を聞き、子どもの成長過程をわかるように伝えていく。
学校現場も、ぜひ、この保育の「育てる」感性と呼吸を学びたいものです。
(尾木直樹:1947年生まれ、教育評論家。高校・中学校教師22年間を経て退職し臨床教育研究所「虹」を設立。早稲田大学客員教授、法政大学教授などを経て、法政大学特任教授)
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