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教師は子どもが好きだけでは務まらない、どんな人が教師に向いているか

 教師になりたい理由として「子どもが好きだから」という人が多い。けれども「子どもが好き」というだけでは務まらない。
 例えば、保護者と良好な関係を築くことも教師の大切な仕事です。電話で連絡を取ったり、こまめにコミュニケーションを取る必要があります。うまくできない人は、いくら授業がうまくとも、良い教師にはなれません。
 また、他の教職員との連携・協力も教師に求められる資質のひとつです。自分だけちゃんとやればよいという考え方は通用しません。組織の一員として動くことが求められています。
「子どもが好き、でも大人は嫌い」という人は、考え直してみた方がよいかもしれません。
 教師には「五者の精神」が必要であると言われています。学者、易者、芸者、医者、役者です。
「学者」教師は人に学問を教える職業ですから、高度な知識と技能が求められます。
「易者」相手を分析し、然るべき方向に導きます。
「芸者」時には、子どもを笑わせ、楽しい気持ちにさせることも必要です。
「医者」相手の性格や能力を診断し、必要な処置を講じます。
「役者」叱るときも相手をよく観察し、冷静さを保つ演技力が大切です。
 教師は学力だけでなく、人間性も重視されます。
 教師の仕事の中心は授業ですから、教科に対する専門知識は不可欠です。不足していたら、良い授業ができず、子どもたちの学力も身につきません。
 教科への興味関心が強く、教師自身も学び続けたいと考えている人が教師に向いているように思います。
 同時に、いくら教科の専門性が高くとも、人間的魅力が欠けていたら、生活指導や保護者対応など、効果的な指導ができません。
 授業を通じて理解を促すには、日頃から子どもたちと良好な信頼関係を築いておく必要があります。
 特に小学校においては、クラスを束ねる「学級経営力」が重要となってきます。クラスをまとめる力がなければ「学級崩壊」を引き起こしてしまいかねません。
 授業中に、子どもが突然騒ぎ始めたとき、きちんと対応できなければ、授業自体が成立しないのです。
(
佐藤明彦:1972年生まれ、教育雑誌編集長を経て、コンテクスト()社長として教育関連の書籍・映像などを手掛ける)

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