保護者が教師のファンになってもらうには、保護者とどのように話せばよいのでしょうか
私が保護者との関わりで常に意識していることは、保護者を自分のファンになってもらうということです。
楽しんでもらうときは楽しんでもらい、伝えるべきときは伝え、一本筋の通った先生であると保護者に一目置いてもらう存在になるということです。
保護者との面談は、わずか一回の会話で、あなたの印象が決まってしまう可能性があります。その機会を最大限に活かすことができるかが大きなポイントになります。
私が保護者との対話で意識していることは
(1)敬語を使い、保護者の話をよく聞く
保護者は教師のちょっとした言葉づかいであなたの常識度を判断しています。
例えば、保護者が来校したとき「ご苦労様です」という言葉は目上の人が目下の人に使うものとされています。
「お世話になっております。ご多忙の中、ご来校ありがとうございます」
という言葉がスマートです。
人は興味を持ってくれる人に、親近感や信頼感を抱きます。教師が保護者の話を熱心に聞いただけで「なんて、いい先生なんだ」と思います。
私は、保護者の話8に対して自分の話2くらいが理想と思っています。
私は経験上、「保護者のことをわかってあげる」=「保護者の話を聴く」ということを強く意識しています。
そうすると、保護者のニーズや気持ちが理解できて、うまく対応できます。
(2)保護者の気持ちや苦労を共感する
「大変ですよね」「わかります」「おっしゃる通りです」など、保護者の気持ちや苦労を理解していますよということを、言葉にしてあらわす必要があります。
聞き上手な教師は、保護者に共感し、わが子を「大切にしてほしい」「認めてほしい」とう欲求を満たすことができる教師です。
(3)担任として、自分の考えを伝える
「私はこう考えています」「私はこのような方針でクラス運営をしています」と、私はアイ・メッセージで教育方針や人間性を伝えるようにしています。
(4)積極的に子どもの長所を伝える
保護者の関心ごとは、わが子のことです。貴重な時間を割いて来校した保護者に、子どもの短所や改善点ばかりを伝えるのは愚の骨頂です。
長所やどうしても伝えたい、ほほえましい行動・言動を伝えるようにしましょう。
保護者に「大丈夫でしょうか?」と聞かれたときは、簡潔に改善策も含めて伝えると悪い印象を与えません。
私はいつでも子どもを見守っているという気持ちを意識しています。
(5)あらかじめ、話す要点をまとめておく
私は授業に限らず、子どもたちに伝えたいときは、あらかじめ
「わかりやすい時事ネタから導入してポイントを伝え、具体的な話に落とし込む」
ように話の流れを考え、ノートにまとめておきます。
たった一回の話だけで、心が離れたり、ファンになったりするのですから。
(6)わかりやすく話す
最初に結論を述べます。次にその理由、具体例、締めの言葉の順に話すと納得感のある話になります。
教師は保護者に流暢に話をしてしまいがちですが、どうしても伝えたいこと、大事な話をする前には、ちょっとした間をあけるようにすると「あれ、何を話すのかな」と聞き手の心に話が吸い込まれます。
(7)子どもを通して保護者に伝わるようにする
子どもが自然と保護者に話をしたくなるように振舞うとよい。例えば、トラブルがあったときの迅速な対応、授業の面白さやわかりやすさ、子どもへのちょっとした言葉がけなどです。
子どもから保護者に伝わると教師の信頼度がアップします。
(栗田正行:1976年千葉県生まれ、教師、料理人、熟講師を経て私立高校数学教師。コミュニケーションを学び、わかりやすい授業、子どもや保護者への気遣い対応により、塾講師として9割以上の子どもから満足を得た)
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