つまらない授業でも、子どもたちを乗せてしまうには、どのような方法があるのでしょうか
「子どもたちを授業に乗せる一番のコツは?」と聞かれれば、私は迷わず「テンポを上げることです」と答えます。
今どきの子どもたちは、テンポのないものが苦手です。普通のたいくつな授業のテンポを上げて、子どもたちを無理やり乗せてしまいましょう。
テレビのバラエティ番組を見ても、芸人さんたちは、ものすごい勢いでしゃべり続けています。子どもたちは、教師の話すスピートはかなり遅く感じているに違いありません。
「お笑い」は勢いが大事です。テンポよく話を盛り上げていくと、笑いが起こりやすくなります。
授業も同じです。テンポを上げれば、子どもたちは乗ってきます。つまらない内容でも、勢いだけで子どもたちを乗せてしまうことができるのです。
授業のテンポを上げるためには「教師の話すスピードを速くする」とよい。
私は意識して早口にしています。子どもも早口にした方がいい。早口は、子どもたちの集中力を高めます。
話すスピードと分かりやすさは、あまり関係がないようです。私は授業中に次々と指示を出して、子どもたちを動かしています。
指示をきちんと聞いて、子どもが早く動けばほめる。早く動かなければ叱る。目標タイムを設定して、やり直す。ここれをくり返して鍛えると、子どもたちは動きます。
今どきの子どもたちは、説明を聞くのが嫌いです。1分間も説明が続くと子どもたちは聞いていません。「説明を短くする」とよい。
では、どうするか?「説明を短く分ける」とよいと思います。たとえば、
教師「今から俳句について学習します。俳句。はい」
子ども「俳句」(全員)
教師「俳句は、5、7、5の音でできています。5、7、5。はい」
子ども「5、7、5」(全員)
早口で声を揃えて言えると、気持ちがいいです。クラスに一体感をもたらします。声出しは学級づくりにも有効です。
クラス全員でやると、サボる子がでてきます。教師はそれを見逃さないことが大切です。そして、許されないことが大切です。これは、声出しに限らず、全てに共通したことですね。
座り続けることが苦手な子がいます。そこで立ったり、座らせたりという「小さな」活動を入れるのです。数秒で、しかも手軽にくり返して行える活動をたくさん入れるのです。
たとえば、
「全員、起立。○○と10回言ったら座りなさい」
「出来たら立つ」
「全員起立。言えたら座る。出来ていたら座る」
子どもたちを動かしながら話をすると、子どもたちは集中して話を聞いてくれるはずです。
たとえば、体を動かす○×クイズで、子どもたちに答えさせるのも、楽しいです。
たとえば、理科の実験で
「アルカリ性の水溶液は、赤色リトマス紙を青色に変える」
「○か、×か?」
「せーの、ドン」の合図で、子どもたちは○×のポーズを出します。
「正解は、・・・・・・○」と、もったいぶって正解を発表すると、子どもたちから歓声があがります。
(中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。
また、若手教師を育てることに力を入れ講演も行っている)
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