保護者ができないことをしてくれる教師は、保護者が味方をしてくれる
保護者が味方をしてくれる教師はどのようなことをしている教師なのでしょうか。
1 友だちをつくってくれる教師
家庭で解決できないことの一つに、子ども同士の人間関係がある。
親がどんなに努力しても、子どもの友だちを代わりにつくってあげることはできない。
私はクラスの子どもたちに次のような遊びの方針を伝えた。
(1)学校は勉強する所でもあり、友だちとうまくつきあうことを勉強する所でもあります。
ですから、友だちが「仲間に入れて」と言ったら、必ず「いいよ」と言ってください。
(2)仲間と協力して遊ぶ力をつけるために、1週間に2日、みんなで遊びます。もちろん先生も一緒に遊びます。
(3)みんなで遊ぶ種目は、みんなが一人ひとりやりたい遊びを順番にやっていきます。一学期のあいだは、遊びのリーダーは先生がやります。
個人面談や家庭訪問、保護者会でも担任は保護者に「クラスの友だち関係については・・・・」とか「Aさんは、今Bさんと・・・・」といったことを具体的に伝えてあげます。
友だち関係がうまくいかずトラブルをおこす子どももいます。
友だち同士、うまい関係をつくれる教師は、間違いなく保護者から信頼され、味方になってくれます。
2 子どものためになる話をしてくれる教師
わが子を先生が成長させてくれたと実感できると、保護者は間違いなく、よい教師だと思い信頼してくれる。
子どもは、先生から教えてもらった、子どものためになる、おもしろくてわかりやすい、役に立つ話を、家に帰って親に自慢げに話すのが大好きだ。
誰だって、おもしろい話を聞けば、他の人に伝えたくなる。
このような話をいっぱい持っていて、子どもたちに話ができるようになればよいのだが。
3 困っている時に、すぐに手をうってくれる教師
保護者が先生を頼って相談に来る、また苦情を言いに来るというのは、よほどのことである。
よほどの困っていることでなければ、ふつうの保護者は担任を頼ってこない。
こんな一大事な時にこそ、すぐに手を打ってくれれば、さすが先生と思い、保護者は必ず味方をしてくれる。
だからこそ、保護者からのお願いには、何をおいても、すぐにやるのが一番なのだ。
4 よい習慣づくりをしてくれた教師
たとえば、家庭学習をさせることに苦労している保護者から
「先生になって、毎日、根気よく宿題をする習慣をつくってくれました。あれだけ身に付きにくかった家庭学習が、みちがえるように、この一年でできるようになりました。本当に感謝しています」
と、連絡がありました。
読書する習慣、勉強する習慣などを育てると、保護者から感謝され味方してもらえる。
5 連絡帳によいことを書いてあげる教師
連絡帳は悪いことをしたら書くというイメージが強い。
よくなったことや、頑張っていること、その日に特別よいことをしてくれたこと、を家に連絡するほうが、保護者に喜ばれ信頼される。
子どもを伸ばすことにもつながる場合が多い。付箋紙に一言でもいいから書いて、連絡帳にはるのもよい。
(大場寿子:1961年静岡県生まれ、東京都公立小学校校長)
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