3学期、1年間の仕上げと振り返りをどのようにするとよいのでしょうか
1年間の仕上げと振り返りはどのようにするとよいのでしょうか。
学級の成長を振り返るだけでは、自分の努力や成長は確認できず「個人の自覚」がうながせない。成長を確認させ、自分のよさに気づかせるとよい。
重点は「あなたは、こんなところで自分らしさを出しているね」と、お互いに言い合わせたり、それを教師が言うことで、係や当番活動などで表現される自分らしさに気づかせます。
係や当番などで子どもが自分らしさを表現していた場面を、さりげない会話などで一対一で教師が伝え、子どもに自覚させる。同様に、仲間同士でアドバイスし合わせる。
独自性に気づかせ、お互いの独自性を認めたうえでの協調をめざす。
学級で協力した出来事を記録した掲示物や振り返りシートなどを見て、一人ひとりの役割と努力を発見し合う。
「自分はこれでがんばった」「学級の中の一人ひとりがすばらしい」という思いを残させたい。
結果だけでなく、一人ひとりが挑戦してきた姿を浮き彫りになる具体的な資料を使い、自分の努力を実感させる。
自分の成長の陰に家族や仲間の支えがあったと気づくことは、自分の存在の価値に気づくことでもある。支えてくれた人に感謝させる。
卒業学年だけでなく、それぞれの学年修了の記念に文集を作る。学級会で話し合って内容を決め、仕事を分担して進めたい。
別れ際に、感謝や励ましの言葉を述べながら握手をするのは「忘れないでね」のメッセージ。
「きっと覚えてくれる」と確信できたら安心して離れられ、新しいところでもがんばる勇気がわく。
教師が
「今まで言えなかった感謝の言葉」
「別れた後にも心に残るようなひとこと」
「新しいクラスでもがんばるぞ、いうファイトがわいてくるようなひと言」
を書いてあげましょうと言って、子どもたち一人ひとりが相手に対する別れのメッセージを紙に書いて贈り合うとよい。
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学教育・総合科学学術院教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)
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