ふれあいとルールで学級を成立させるには、どうすればよいのでしょうか
ふれあいとルールで学級を集団として成立させるにはどうすればよいのでしょうか。
学級を集団として成立させるための骨子は、
(1)集団内にふれあいのある人間関係を確立する
(2)子どもたちの行動の基盤となる共通のルールが確立する
という、二点が互いに矛盾することなく成立することです。
指導重視型の教師は、学習指導と生徒指導にルールを定め、子どもたちの行動を統制しようとします。
そのようにして作られたルールは、子どもたちへの援助とうまく溶け合わず、子どもたちに不満が蓄積され、学級内にふれあいのある人間関係が形成されないのです。
子ども同士がつながることや、その過程で学級がまとまるのを援助する、自己確立重視型の教師は、子どもの自己の確立が促進される形でルールを形成しようとします。
例えば、話の聞き方や話し方、互いの人権を尊重することなど、人が社会生活を送るうえで必要な基本的なマナーです。
このマナーがあって初めて、子どもたちは自分の話を聞いてもらえる、人からバカにされないと感じ、自ら他の子どもたちと関わろうとするようになるのです。
つまり、学級のルールが学級内のふれあいのある人間関係の形成を支えているわけです。そして、このルールも子どもたちの考え方が取り入れられて成立していることが多いのです。
このルールをもとに学習指導と生徒指導も行っていくわけですから、指導と援助のバランスがよいのです。
子どもたちも教師にやらされているという感じがなく、主体的に学級生活をおくるようになるのです。
学級集団の形成も、始めは親しい二人組の形成をめざし、学級内に孤立する子どもがでないように努めます。
それが達成されたとき、二人組の相手をいろいろと変えていき、学級が子どもたちの人間関係で網の目のように結ばれているようにしていくのです。
そのうえで、小集団での活動を実施し、それがうまくいくようになったら、中集団、そして学級全体集団へと徐々に拡大していくわけです。傷つくことを恐れる子どもたちの心情に無理のない展開です。
学級集団は子どもたちの個々のつながりを通して、一つにまとまっていくのです。
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学教育学部教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)
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