同僚教師と共に生徒を指導し育てるには、どうすればよいのでしょうか
私は新卒から数えて現任校は三校目である。それ相応に問題に直面し、頭を抱かえ、右往左往しながら行動に移すと失敗し、その繰り返しから学び取ってきた。
私の校務分掌は研修係である。これまでの学校でもこの係を多く担当してきた。同時に生徒会係も多く担当してきた。
研修係は教師集団を統率する「上からの係」であり、生徒会係は生徒集団を統率する「下からの係」であるという持論を持って私は組織を動かしている。
両者に共通するポイントとして「教師や生徒にきっかけを与え、行動をうながす情報を与える」ことである。
私たち教師は、ほんの小さな「きっかけ」によって意欲がわくことがある。例えば、同僚教師の失敗談を聞いたときがそうだ。また、授業のコツをこっそり聞いたときである。
さらに、行事や部活動に力を発揮する教師から生徒を育てるポイントを聞いたときだ。
このように、ほんの小さな「きっかけ」が与えられることで、多くの教師は意欲的になる。
最近の子どもたちは、自己中心的で巻き添えを食らわないよう、無関心さをよそおう。
私は、そうした学級の雰囲気を感じ取った場合、問題意識を持つよう誘い、解決の筋道を考えさせる。
解決策として、副担任や教科担任など学年の教師の力を借りるとよい。担任ひとりで学級経営のすべてを取り仕切るべきではない。
生徒の荒れには組織化された教職員の組織体制で臨むべきである。
では、どのような組織体制で臨むべきか。
役割分担に基づいたキャラクターを演じることで、生徒にバランスよく接していくべきである。
母親的役割をする母性教師がいて、厳しい叱り役の父性教師がいて、お兄さんお姉さんのようなチャイルド教師がいる。
そうしたバランス関係のもとに日常の学校生活を過ごすことができれば、子どもたちもストレスを抱えず、他者理解なり自己表現がスムーズにできるはずである。
ところが、そうした役割分担がなされていない学年や学校の場合、荒れる生徒が生まれてしまう。
教師は忙しい。しかし、ここ一番、生徒について一緒に活動しなければならない時、このチャンスを逃がしてしまったがために教師への信頼感を失わせてしまった経験などは、誰にもあることだろう。
自分が生徒と一緒に活動できない場合は、役割分担したチームワーク指導で、別の教師に生徒についてもらえばいい。
私は校内では、主として父性教師である。しかし、時には母性教師にもなるし、チャイルド教師にもなる。
一人の教師が時に応じ、機に乗じ役割を変化できるようになれば、生徒の力をまた違った形で伸ばすことができるだろう。
(山下 幸:1970年北海道生まれ、北海道公立中学校教師)
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