保護者に「協力してあげよう」という気持ちになってもらえるにはどうすればよいか
新任教師のころは、はじめは子どもオンリーで保護者のことはあまり考えていません。
それは仕方がないことですが、子どもを育てるためには、やはり保護者との協力や連携は欠かせません。だからこそ、保護者とは、いい出会いをしたいものです。
始業式は、子どもにとってもいいスタートを切りたいときですが、同時に保護者も「今度の担任は誰だろう?」「今度の担任は、当たり、はずれ?」と気になっています。
若い教師だと「若い先生は頼りないのでは」と思っていることも確かです。
そこで、どうするか?
始業式での保護者との出会いは、まず連絡帳です。慣れた保護者なら「どうぞ、よろしくお願いいたします」ぐらいは連絡帳に書いてきます。
そのときに、担任が「みました」のハンコ一つで返すと、保護者は「今度の担任はダメ」とらく印を押してしまいます。
そこで、ハンコだけでなく、担任からも「こちらこそ、ぞうぞよろしくお願いします」と書けば一応及第点はもらえるでしょう。
さらにもうひと言
「連絡帳ありがとうございました。私もがんばりますので、今後ともどうかご協力のほどよろしくお願いします。何かありましたら、何でもお教えてください」
というように書くと「今度の先生はていねいだ。協力してあげよう」という気持ちになってもらえるものです。
全保護者の連絡帳にひと言書けば、効果はもっとあがります。
私はいつも始業式の日には、必ず全員の連絡帳にひと言書いていました。
「始業式の日のいつ書くの、そんな時間はあるの?」と聞かれそうですが、私は、教科書を配ったあと、子どもたちに名前を書かせてから、しばらくの間、教科書を自由に読ませていました。
このわずかな時間に全員の連絡帳にひと言入れました。
私は自分の顔のハンコ(絵と吹き出しスペースの入ったもの)を持っていましたので、それを押して、吹き出しに「担任の仲島です。よろしくお願いします」と書いておくだけでした。
翌日は、ほぼ全員の保護者から「こちらこそ、よろしくお願いします」と返事が戻っていました。
たかが、ひと言の出会いですが、のちのち大きく影響が出てきます。変な言い方ですが、保護者を味方につけると、学級づくりは、まずうまくいきます。
(仲島正教 1956年生まれ 小学校教師を兵庫県で21年間勤務。指導主事を5年間勤務。年48歳で退職。2005年より教育サポーターとして、若手教師対象に、授業づくり・学級づくり・子ども理解等のセミナーを開いている。若手教師応援セミナー「元気塾PLUS」代表)
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