学校で問題があったとき、わが子の話を鵜呑みにする保護者に、どう対応すればよいのでしょうか
学校で問題があったとき、子どもは、家の人に叱られるのではないかと、自分に都合のよいように親に話すことがあります。
わが子の話を聞いて、そのまま鵜呑みにする保護者がいます。
「わが子を信じ、守ろうとする気持ちが強すぎて、問題を認めたくない」
「自分まで非難されているように感じ、わが子の非を認めない」
「わが子の家庭での姿と学校での行動とのギャップが大きく、信じることができない」
といったことが考えられます。
どう対応すればよいのでしょうか。
(1)子どもの話をしっかりと聞く
まずは、子どもの話をしっかりと受け止めて、子どもとの信頼関係を築きます。
子どもが「先生に話をしっかり聞いてもらえた」と思えば、家に帰ってから、先生に聞いてもらったことを保護者に伝えることが多い。
それは、保護者との関係にもよい影響を与えます。
(2)保護者に話す内容を子どもに確認する
保護者に話す内容を事前に子どもと確認しておくことで、子どもと教師の話のずれを防ぎます。
教師に対する不信感、状況の理解不足などから、自分の都合のよいように話さないよう、教師のメモを子どもに見せながら
「さっき二人で確認したことをメモしたよ」
「このまま、お家の人に連絡するけど、この内容で大丈夫かな」
と、保護者に話す内容を子どもに確認する
(3)感覚的な表現をさけ、観察された事実を伝える
教師は「最近・・・・・することが多い」などの言葉で学校でのようすを保護者に伝えがちです。
感覚的な表現を使うと「わが子を悪い子と決めつけている」と不信感を抱かせ、子どもの人格を否定されているように聞こえることがあります。
保護者の感情を害する恐れがありますので、観察された事実のみを伝えるように心がけます。
(4)子どものための話し合いであることを、保護者に理解してもらう
保護者と話し合うときは「子どもの学習や学校生活が向上するために、ご協力をお願いしたい」という姿勢をとります。
「わが子が否定されている」
「自分の育て方が非難されている」
と保護者に思われては、建設的な話し合いは望めません。
「子どもを、よりよくするために、話し合いたい」という姿勢で臨むことが大切です。
話し合いの最後に「今後も、何かございましたら、お気軽にご連絡ください」という具合に、話し合いを機会に保護者との関係を深めていくようにするとよいでしょう。
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学総合科学学術院教授。15年間公立学校教諭・教育相談員を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)
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