きれる子どもの心を理解し、感情が暴走しないようにするには、どうすればよいか
「きれる子」は、ちょっとした出来事をきっかけにして、突然きれて、怒り、衝動的に暴力をふるったり、暴言をはいたりします。
「きれる子」は、身体が安心できるという感覚に身をゆだねることが困難な中で育ってきている傾向があります。
「きれる子」は、周りは常に危険なものであるという感覚におそわれ、一人で自分の身を守ろうとして闘争状態に入ることが考えられるのです。どうればよいのでしょうか。
「きれる子」が、教師を「安全な人」だと認識できるような関係をつくることが、援助を進めていくための基盤になります。教師は叱る人であると感じるようではいけない。
「きれる子」が、きれなくなるためには、大事なことは何でしょうか。
「きれる子」の怒りなどを、身体の感覚のままで感じることができるようになることです。
教師が「言葉で、きれることが、どんなに悪いことかを言ってきかせる」ことは、ほとんど効果がありません。
「きれる子」と教師が一緒に深呼吸をゆっくりして、身体の感覚として怒りのおさまりを感じさせることが、たいへん援助的です。
教師が「きれる子」に「怒りをおさめることができたね」ということを、強調して伝えます。
「きれる子」の「怒りに支配されているときの身体感覚」と「落ち着いているときの身体感覚」の差を明確にし、「きれる子」が、身体感覚を感じることができるようになることを助けます。
怒りをおさめることができたら「どこまで覚えている?」と聞くことで、怒りを引き出す刺激を把握することができます。
多くの場合「Aくんが、ばかって言った」など、自分を否定するような刺激があったことを話してくれます。
そのことが「あなたにとっては、とってもいやーなことだったんだね」と全面的に承認することが必要です。
そのうえで「そのとき、身体のどこがいやーな感じになったのかな?」と、たずねます。
たとえば「胃がむかむかした」と言えば
「そうか、すごく腹が立ったんだね」
「とってもくやしかったんだね」
「悲しかったんだね」
というように、子どもの身体感覚にあう感情をあらわす言葉を何度も強調します。そうすると感情は暴走しなくなります。
感情を受け入れてもらえたと「きれる子」が感じたときに、ていねいに深呼吸を教師もともに行うことが、たいへん効果的です。
身体を通過する深い呼吸は、落ち着いた身体感覚のここちよさを感じることを容易にします。
「きれる子」がよくなっていくためには、家庭のなかでも「安心」できる関係が絶対に必要です。
家で弱音をはき、ぐずくずし、身体の感じるままの感情を出すことができる子は、学校という社会化の場では、年相応の社会性を学習することができるものです。
親が子どもの甘えや、ぐずぐずを受け入れても大丈夫で、よい親子関係の証しなのだということを知ることが、ゆとりのある子育てをしていくための援助になります。
(大河原美以:1958年東京都生まれ、東京学芸大学教授。臨床心理学者。臨床心理士。専門は、子どもの心理療法・家族療法)
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