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授業が上達するには、どう考え、工夫していけばよいか

 私は大学を卒業して、小学校の教師になりましたが、どう教えたらよいかわかりませんでした。
 どうすれば授業の技を磨くことができるか、という授業上達の問題をずっと考えてきました。
 やみくもに努力するよりも、上達のコツを自覚した方が少しでもうまくなることができるだろうと思ったからです。それで、授業上達の本があると、すぐに買って手元に置くようにしてきました。
「授業は体育や音楽など結果がすぐに見えるものから訓練するとよい」と本に書いてあったので、体育の授業に打ち込みました。できなかったことができると、子どもたちはうれしそうでした。
 私は「おもしろい授業」にとにかく憧れていました。
 当時、「追試のできる授業」が教育雑誌に掲載されていました。「おもしろい授業」を探しては真似をしました。
 国語・理科・社会の授業を次つぎと「追試」(真似)しました。
「授業の追試することが、授業の腕を上げる」と言われました。
 教育技術を意識した授業をすることで、確かに、子どもたちが楽しそうに学びはじめました。
 教材をよく吟味し、授業を固定化せずに日々新しい教育技術を工夫すると授業が安定することを学びました。
 異質なものに積極的に触れ学び合うことで、説明・発問中心の授業から活動中心の授業をつくる工夫もはじめました。
 次のような授業のコツを学びました。
1 学習のゴールを示す
 子どもたちは、ゴールのはっきりしたことが好きだ。目標と到達度に差があると、子どもはガマンできない。
 スモールステップで「早く確実に効果が出る」ようにしてやることが必要だ。
2 意外性や好奇心を刺激する
 毎日、同じ教室で、同じスタイルの授業では飽きてきます。
「飽きのサイン」は、気が散る、落ち着きを失う、姿勢が崩れる、動き出す、などの姿勢や仕草に着目することが必要です。
 飽きのサインをキャッチしたら「1つまるをつけたら立ち上がりなさい」のような指示をします。
 飽きがこないように、教室の中に意外性のある何かをつくりだすことが必要です。
 教室の後ろに立って授業をしてみたり、撮影しながら授業を進めたり、フラッシュカード(簡単な計算や暗記物の質問カードに次々と答えていく)や、早口音読を導入したりして、意外性をつくりだすとよい。
3 授業のルールをつくる
 新学期の最初に教師と子ども、子どもたち同士の関係づくりの作業が必要になります。
 みんなが居心地よく学習できるルールを4月につくります。なぜそのルールが必要かを説明します。
 最初の1ケ月くらいは、クラスのみんなが「仲よしになる」ための工夫が必要です。
4 個別指導をして、子どもに寄り添う
 一斉授業の場合、どこで、何回、個別指導するか考える必要があります。子どもの机に手をかけたり、しゃがみこんだりすることによって、より親密な、感じのやりとりができる雰囲気をつくります。
5 子どもの世界に歩み寄る
 子どもは自分に関わりのある世界の話しでないと、興味が持てないということがあります。
 教師は子どもたちにわかってもらえる説明の場を探る必要があります。
6 発問
(1)
教材のあいまいなところを問う
 教材の中に、いろいろな答えや考えが出やすい「あいまいなところ」を発見します。それを子どもたちにぶつけていく発問づくりです。 
1
「あいまいなところ」を見つけ出す

2 「あいまいなところ」を「・・・・か?」の疑問の形に直す
3
「・・・・か?」としたものを、子どもたちに問います
(2)
教材の中の「答え」になるところを問う「クイズ型発問」
1
教材の中に「答え」になるものを見つけだす(みんなよく知っている場面から問題をつくる)
2
子どもたちが、まようような問題をつくる(よく考えれば、当たる問題をつくる)
3
全員が参加できるよう、選択肢にする(ひっかけ的な選択肢を紛れこませる)
解答の後の解説がポイントで、補足的な説明があるといいです。
(3)
二者択一の発問
 国語の授業では物語や詩があります。状況が絞り込めていますので「〇か✖か」発問し討論することができます。
 こういう発問は過去の授業実践の中にたくさんあります。発問をあれこれ探してみると見つかります。
7 指示を整理して「一時一事」で伝える
 たとえば、子どもの行動を確認しながら
「素早く静かに立ちます」
「教科書25ページの問題を読みます」
「読めたら座ります」
「ノートにその答えを書きます」
8「AさせたいならB」と間接的に話をする
 例えば「おへそをこちらに向けなさい」「鉛筆の先から煙の出るくらいに早く書きなさい」
9 時間を限定する
 何かに挑戦させるときには時間を限定するといい。集中力が発生します。子どもたちの動きがいきいきします。
 例えば「グループの話し合いを5分間する」「3分間の計算練習をする」「作文を20分間書く」
10
子どもに共感を示すには、子どもの言葉や動きを繰り返す
 子どもと共感する話法は、子どもが言った言葉を、教師が繰り返して言って、共感的に聞くことです。
 聞くときのコツは、子どもの動きにちょっとだけ、さりげなく動きを合わせることが大事です。
 例えば、子どもが両手を上下させて喜んでいたら、一緒になって上下させて喜びます。
 子どもに質問する場合は、詰問口調ではなく「聞きたくて、聞きたくて仕方がない」という感じで質問するのがベストです。
 子どものネガティブな答えに、批判しないで、流して聞くことも必要です。
(上條晴夫:1957年山梨県生まれ、小学校教師(10年)、作家、教育ライターを経て東北福祉大学教授。お笑い教師同盟代表、専門は教師教育学、教育方法学、ワークショップ)

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