予備校の講師による授業の上達法とは
(1)大きな声で、はっきりと話すこと
ウジウジと話す教師は絶対に嫌われる。教室がざわついたりするもの大半は教師の声が小さいからだと思って間違いない。
うるさいくらい大きな声のほうが好感を持たれるのだ。教師の声がうるさいので、生徒はざわつきようがない。
第一、聞いていて気持ちがいいじゃないか。エネルギーがあって、いかにも一生懸命に教えています、という感じになる。
人間の心というものは不思議なもので、大きな声を出していると、精神まで高揚してくるのだ。
(2)教師が身体を前傾姿勢にして授業をする
教師は、身体の前の方に重心を置いて、前のめりの姿勢で授業をするとよい。これは、いい授業の絶対的な基本だ。
教師が前傾姿勢をとり、生徒の方へ身を乗り出すようにして授業をする。
教師が前のめりになっていれば、生徒だって身を乗り出してくるはずだ。
逆に、足のかかとの方に力が入っていると、生徒を見下ろしている感じになる。生徒から見ると、えらそうに、ふんぞり返っているように見えてしまう。
それでは熱意が伝わらない。ふんぞり返った教師の授業なんて誰だって受けたくないだろう。
(3)板書しながら、生徒の目をよく見る
板書する際、背中を生徒の方に向けてはいけない。教科書を見ながら板書はしない。
その日に授業で黒板に書くことぐらいは暗記しておけってことだ。
板書をしながら、生徒一人ひとりの目を見渡していくと、不思議に生徒たちも授業に参加しているんだという気になって、勉強に取り組む姿勢がよくなる。
さらに、生徒たちの表情を見ることによって、この子は集中力がなくなっているとか、そろそろ一息入れてやるとか、の判断ができるのだ。
慣れてくると、黒板を見なくても板書ができるようになるが、そこまでやる必要はないだろう。
(4)ときどき生徒を指名して質問する
生徒たちは、せっかく塾まで来てもらっているのだから、彼らの声くらい聞いた方がいい。
お互い人間なんだから、コミュニケーションを取るべきだ。できれば全員に当てること。それも簡単に答えられる質問をするのがいい。
彼らは機械じゃないのだから、答えがなかなか出ないのなら、私といっしょに考えようぜ、という気持ちで接することだ。
生徒ができるか、できないかが問題ではなく、あくまでコミュニケーションの問題であることを忘れるな。
(5)その日の学習のポイントを繰り返す
何度も何度も、その日の学習のポイントを口がすっぱくなるまで繰り返し連呼する。ここがポイントだよと、訴えかけるように。
要するに、メリハリの利いた授業によって、生徒たちが
「オッ、今日はここが重要なんだな」
と、すぐにわかるような構成を毎回行うことが大切なのだ。最低5回は言った方がいい。
(6)毎回小テストをして、生徒の学力状況を把握する
教えたことが生徒たちにどのくらい定着しているかは、小テストで簡単に判定できる。
授業の最初には、毎回5~10分程度の小テストを課すことが大事だ。各生徒の学力が把握できるし、その子に今、何が必要なのかもわかる。
生徒の親が相談に来たとき、具体的な話もできるだろう。そうなれば、親も信頼してくれるものなのだ。
(7)教材の準備
授業が成功するかどうかは、教材準備にかかってくる。
授業は落語と同じで、一番大事なのは生徒を乗せることである。何とか、その日の勉強の取っかかりをつけさせることである。そのための仕込みが教材というわけだ。
その方法について、常に創意工夫を凝らし、ときには冒険や新しいことにチャレンジしていく意気込みが大事なんだ。
教科書を読むと、明日教えることについて、どこがあやふやな部分なのか、どこが疑問点になるのかが、見えてくる。つまり、授業で取り上げる材料が表れてくるのだ。
生徒がつまずく部分、理解しにくい部分、誤解しやすい部分、そういったものがはっきりと浮かびあがってくる。
予習は何のために必要かとい言えば、生徒に何を語るかではなく、どう語るかを知るために必要なんだ。
(吉野敬介:1966年生まれ、予備校(東進ハイスクール客員) 古文講師)
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