なめられているのか、叱ってもすぐに私語や悪ふざけが始ります、どうすればよいのでしょうか
中学二年の担任です。生徒とよく話しをするように心がけています。親しみを感じてくれる子も多いと思っています。
けれども、クラスは落ち着きがなく、まとまりません。行事の練習は、指示が通らず勝手なことをやっています。怒鳴ってもすぐ、私語や悪ふざけが始まります。
提出物の期限は守らない。掃除もサボる子が多く、私の指導や願いが通じていないという無力感でいっぱいです。どうすればよいのでしょうか。
このクラスは、バラバラな印象をうけます。子どもたちは、仲間にどう思われるか不安で、その場の雰囲気、仲間の動きに合わせているだけなのでしょう。
担任は生徒一人ひとりと接する努力しています。それは基本的に大切なことです。
クラスは、他人同士が生活するところで、お互いが快適に過ごすために相手のことを理解し、トラブルが生じないためのルールをつくる必要があります。
今の子どもたちは、親しい関係を作って居心地のよい場を積極的に作ろうとはしません。
「まじめ過ぎず、表面は明るく、友だちからは嫌われたくない」という気持ちが強いのです。クラスは仲間に気をつかう煩わしい場になってきています。
子どもたちが互いに結び合っていない集団に対して、担任が厳しい態度で指導するとどうなるでしょうか。
そのような子どもたちは強い者には従います。いっけん、クラスはまとまったかのようになります。
表面上は従いつつも、クラスは居心地の悪い場になります。結果として、いじめのようなかたちでストレスのガス抜きが行われる恐れも出てきます。
では、どのような工夫が考えられるのでしょうか。
答えは、子どもたち「仲間同士の親密な関係の形成」ということになると思います。
お互いがどのように感じ、考えているのかを出し合い、近づけるような機会を多くもつことが必要だと思います。
学級活動の中などで人間関係の安心感を演出するようなさまざまなゲームを試みます。
また、深く知らない者同士が、ある程度、本音を出して真剣な話をし、それを受け入れてもらえる経験を多くもつようにするのです。
授業でも討論の時間を多く導入するなどします。しかも、それは楽しく快適な体験となるように工夫することが大切です。
また、クラス内の小さな仲よし集団にも注目し、そこに働きかけるのはどうでしょうか。
その仲よし集団の中でリーダー格になっているような子をクラスに参画してもらうように働きかけ、仲よし集団を互いに結び合わせていくこともできるように思います。
(小林正幸:1957年群馬県生まれ、東京都港区教育センター教育相談員、東京都立教育研究所相談部研究主事等を経て東京学芸大学教授。不登校を始め学校不適応、ソーシャルスキル教育、教育相談、教育技術を研究)
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