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教師の仕事が苦手な人が、ステップアップし、人気のある教師になるためにはどうすればよいか

 子どもも保護者も、まずは「教師という仕事に本気で取り組む、元気で明るい教師」を求めています。教師という仕事に生きがいを抱き、人生を生きてほしいものです。
 教師が疲れていたり、沈んだ表情をし、怒りやすかったりすれば、子どもたちに影響を与えます。
 教師として満足いく仕事をするために、心と体の健康が一番です。健康な体をつくるための心得は「早寝、早起き、朝ご飯」が教師にも当てはまります。
 性格的に悩みやすい教師は、仕事以外の世界(趣味や娯楽、教師以外の人間関係)に自分の居場所を持つことも、一時的にはやむを得ないでしょう。
 教師という仕事は、どこまでやればよいということは、はっきりできない仕事です。要は、いかにメリハリのある仕事術を身につけるかということです。要領や段取りの悪い教師は、人気教師にはなれません。
 人気教師は、人気人間にもつながります。大人としても魅力度の高い人間になってください。
「えこひいき」しない態度こそ、人気教師への第一歩です。
 コミュニケーションで最も大切なことは「えこひいき」しない態度を一貫してとることです。
 どうしても、素直で明るい子、ものわかりの早い子、可愛い子を教師は好みますが「どの子もいい子なんだ、公平に扱おう」と自分の心に呼びかけるようにしてください。
「この子は〇〇だから」と決めつけることも誤りです。
「この子は落ち着きがない」「うそを言ったことがあるから」とマイナス面ばかりを見たり「△△さんは、ピアノがうまいから演奏してね」とその子の実力以上の課題を与えてしまうこともあります。
 子どもにレッテルをはらず、常に自然体で接するように心がけたいものです。ほかの子と比べたり、できて当たり前という見方ではなく、その子の力で「ここまで、できたね」と認めてあげることがポイントです。
 子どもの話を聴いてあげ、子どもの言ったことばをオウム返しのように繰り返してあげることで、子どもは「先生は、話を聞いてくれている」という安心感を抱くようになります。
 さらに、教師が「いつも、心配しているんだよ」と、自分の気持ちを子どもに伝えると、子どもが「先生に心配をかけたんだ」、「じゃあ、どうしたらいいかな」と自分で考えるきっかけとなります。 
 連絡帳に保護者からの連絡コーナーを設けることも大切です。(学級通信の末尾に設けてもよい)
 プライベートな問い合わせや急ぎの用事でない保護者からの連絡事項などは、子どもの連絡帳に書いてもらうように、お願いします。
 そうすることで、連絡帳を介した保護者と教師との見えないつながりをお互いに意識できます。
 小学校の教師は多くの教科を受け持っています。授業で勝負する人気教師ほど、教材の収集には熱心です。
 理科で電池の仕組みを教える場合、電池を数種類準備しています。社会科で江戸時代の学習する場面でも、参観交代の様子が描いてある和菓子の包装紙を持っていたりします。
 人気教師は学習内容に応じて教材が用意できる、豊かなストックを持っているものです。
 授業の名人と言われた教師が、大型(A3)の封筒を教室の棚に置いておられたことを思い出します。
「中身は何ですか?」と尋ねると「古い新聞記事や、教材に使える各種のパンフレット類だよ」と教えてくれました。
 短い期間では収集できないが「これは教材にならないかな」という目で日常生活を送っていれば、案外見つかるものです。
 資料の一部を隠して提示することによって、注目させるやり方があります。
 例えば、社会科で、日本の水産業の学習で、漁獲高の推移を示す折れ線グラフを、ある年代から先を隠して黒板に貼り、
「この後、遠洋漁業の漁獲高はどうなったでしょう?」
と問いかけるのです。
 歴史の学習でもこの方法が使えます。絵巻物や絵図の一部を隠して提示すれば、子どもは隠された部分に関心を持ちます。
 このように、教材提示の方法を工夫することで「じっくりと見て、考える力」を育てることができます。
 人気教師のクラスは話し合いも活発です。特に国語や社会などでは「話し合い」が学びの基本になります。
 学級全体で「話し合い」を深めていく場合、子ども同士で意見のやり取りを円滑に進めるために考案されたのが、挙手するときの「ハンドサイン」です。
「わかった(5本指)」「わからない(グー)」「質問(3本指)」「賛成(2本指)」「つけたしの意見(1本指)」の5種類があります。
 これを図にして黒板の横に貼って確認させながら挙手をうながすと、積極性が育まれます。小学校3年生くらいから導入できます。
 教師は、ハンドサインの形を眺めて「質問」や「つけたしの意見」などの子どもが何名であるかを即座に把握します。
 話し合いの状況を見て、最初にどのサインを取り上げるかを判断します。
 授業への参加をうながし、話し合いの視点を深めるために「質問」や「つけたしの意見」を最初に当てれば、うまくいきます。
 社会科の授業で「秀吉が行った刀狩りは良い政治と言えるでしょうか?」などと質問し、ハンドサインで答えさせると「考える」授業にも導入できます。
 さらに「わたしは反対の意見です。その理由は・・・・・・」と、自分の意見をはっきりとさせ、理由も述べさせる指導をこころがけたいものです。
 人気のある教師になるためには、キャラクターグッズがあげられます。
 子どもの提出物に、特注で自分の顔をキャラクターにしたスタンプで、確認の印を押すのです。
(
寺本 潔:1956年熊本市生まれ、筑波大学附属小学校教師、愛知教育大学教授を経て玉川大学教授。中央教育審議会専門委員(社会)等を経て日本社会科教育学会評議員)

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