自分らしさを生かした学級づくりは、どのようにすればよいのでしょうか
教師が自分らしさを学級づくりに生かしていくと、学級内のルールも人間関係も安定します。
自分の生き方や教育観を学級づくりに取り入れて、自分なりのやり方で集団をまとめるとよい。
そのために、教師は、自分はどのような傾向があるのかを把握しなければならない。
教師が子どもたちに毎日行っていることは二種類ある。
教育の専門家として子どもたちを教える「指導面」と、子どもたちの心情面を支え、子どもたちが自ら活動することを支える「援助面」である。
教師には、ルールを重んじる「指導面」が優位な教師と、子どもたちとの人間関係を重んじる「援助面」が優位な教師がいる。
「指導面」が優位な教師と「援助面」が優位な教師に分かれるのは、その背景に教師の性格や価値観があるからである。
あなたは、どっちのタイプの教師ですか。
(1)指導タイプの教師
まずは、学級をまとめたい。しっかり授業を受け、休み時間はしっかり遊ぼう、けじめが大事といったタイプの教師。
このような教師は、子どもたちとの関係づくりにも取り組むようにするとよい。
(2)援助タイプの教師
まずは、子どもたちと仲良くなりたい。わからないところはないかな。一つずつ確認しながら、ゆっくり楽しくやっていきたいといったタイプの教師。
このような教師は、ルールの定着にも取り組むとよい。
どちらがいいというものではなく、大事なのは、教師が自分の傾向を把握して、状況に応じて二つの対応のバランスをうまく調整するとよい。
この二つのバランスと、学級集団にルールと人間関係を定着させることは密接に関係している。
子どもたちに人気の高い教師とその理由は
(1)人間として魅力的
子どもたちは「私のことを受け入れてくれる」「私のことを認めてくれる」など。
(2)教師として魅力的
子どもたちは「あの先生は、わかりやすく、楽しく教えてくれる」「熱心に指導してくれる」など。
現代の子どもたちを育てるには
(1)教師は子どもたちと肩ひじを張らずに接する
現代の子どもたちは教師に対しても、一人の友だちとしてつきあう傾向にある。
したがって、教師が子どもたちに、親しい関係の中で穏やかな物腰と言葉で話しかけないと、子どもたちは、抵抗を感じて、聞こうとしなくなってしまう。
(2)子どもたちと親しくうちとける
そこで、教師は子どもたちと親しくうちとけるようにする。それから徐々に、子どもと教師のつきあいを増やしていくと、指示も通りやすい。
ただし、教師が子どもたちに気に入られることだけを考えて、ルールと人間関係への対応を疎かにしないように気をつける。
(3)罰や強制は最小限にとどめる
子どもたちを罰や強制で動かそうとすると、早い段階で教師を信頼しなくなり、指示に耳をかさなくなる。
子どもに行動をさせたいときや、行動を改めさせたいときは「罰や強制」だけに頼らず、「ほめる」「適切に注意する」などの基本技術を活用して対応する。
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学教育・総合科学学術院教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)
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