授業参観で保護者に信頼されるには、どうすればよいか
私が、わが子の授業参観に行くようになって、保護者が授業参観に期待するものがわかった。それは
「楽しい授業」
「わかる授業」
「向上のある授業」
である。
授業参観は、保護者が「わが子を見にくる」と言われているが、
「うちの先生は、どんな授業をしてくれているのかな?」
「どんな工夫をして、楽しく教えてくれているのかな?」
「先生の指示を、うちの子は聞いているのかな?」
「〇年生は、どんなことを勉強しているのかな?」
と、わが子と教師の授業を見ているのである。
授業が保護者に信頼されるための原則は
1 保護者も一緒に授業を受けている
保護者は授業を参観しながら、一緒に授業を受けているのである。子どもと同じ視線で考えているのである。
指示が出ると、わが子は
「指示に従って、ちゃんとやっているかな。話を聞いているかな」
と、わが子の様子を見る。
このとき、教師の指示が保護者にわからなかったら、保護者は
「今の意味どういうこと?」
と、保護者同士が顔を見合わせる瞬間がある。
「今の質問じゃわからないわ」
「どう答えたらいいのかしら?」
そうすると、保護者の評価は
「うちの先生の授業、むずかしいわ」
「うちの子、きっとわからないわ。勉強についていけるかしら。心配だわ」
2 わかる授業
「わかる授業」は、見えないものが見えてくる授業である。
授業は、新しい学びをする場である。
「できた」「やった!」がふんだんにある授業は、子どもの笑顔がある。
やる気が満ちている、子どもたちの様子は、保護者が一番うれしい場面である。
3 楽しい授業
「うちの先生の授業は楽しいわね」
「うちの子が『学校は楽しい』って言っている意味がよくわかりました」
と、保護者から言葉をもらうのは、教師冥利につきる。
「こういう学習をしているから、わかるのね」
「こういうふうに、仕掛けをするからできるのね」
と、教師のプロの技を期待している。
例えば、音読。竹の子読みを披露しよう。
「追い読み、半分こ読み、1行交代読み、2行交代読み、竹の子読み」と、自分の気に入ったところだけを立って読むシステムである。
挑発されて、どんどん行数を増やしていく。子どもは、知らず知らずに夢中になって覚えていく。子どもたちが立つ様子は、竹の子がにょきにょき生えるように楽しい。
「こんなに楽しい授業で学ばせてもらっているなら安心だ」と、読むほうも、見るほうも満足する楽しくて、工夫があって、力のつく参観授業一押しのネタだ。
4 日頃が大事
「全員がわかる指示」は簡単ではない。だから日頃が大切なのである。
どうやれば、やんちゃくんが話を聞くのか、指示に従えるのか、毎日真剣に悩み、改善をした教師だけが手にすることができる。
授業が楽しい教師なら、保護者は十分味方になってくれるのである。
(鈴木恭子:神奈川県公立小学校教師)
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