7月にはどのような学級づくりができるでしょうか
7月は、1学期を振り返り、子どもたちが自分なりに成果を確認し、達成感をもたせることで、2学期への意欲を引き出す時期でもある。また、夏休みを有意義に過ごすための動機づけも大切である。
1 学習成果や作品をまとめさせ、子どもたちに達成感をもたせる
話し合いだけだと、4月当初からの記憶があいまいとなり、1学期全体を振り返ることがむずかしいので、記録や作品を手がかりにする。
(1)子どもたち個人の作品やワークシートなどをまとめたり、ファイルしてあった物を見直したりして、学習の成果を実感させる。
(2)カードへの書き込みや相互評価などを通して自分の努力を確認する。
振り返ることで、努力の成果や成長を実感できれば、子どもたちは「自分はやればできる」という自信となって、これからも努力する意欲が高まる。
2 個人のめあてを反省させ、次の意欲をもたせる
振り返ることは、これまでの自分の努力や成長を確認する機会である。
結果のよしあしではなく、それを受けて次にどうするかに目を向けさせることが大切である。
(1)めあてを達成できたか、どんなところができなかったかを振り返らせる。
(2)達成できなかった場合は、目当ての立て方を検討したり、次のめあてにつなげるための援助をする。
3 学級の成長を振り返り、帰属意識を育てる
みんなで学級のめあてを決め、それに向かって協力して活動してきたことを振り返ることは、一人ひとりの学級への帰属意識を高める。
「自分ががんばったこと、誰かががんばったこと」を話しましょう。
学級集団での活動で「このクラスでよかった」という手ごたえは、積極的にかかわろうとする意欲を生み、マナーやルールの理解が深まります。また、対人関係能力を育成することにもつながります。
(1)学級のめあてが達成できたかを振り返る
(2)行事での学級のみんなの様子を教師が語り、努力を振り返る。
4 夏休みで、子どもたちの気持ちをとぎれさせない工夫
(1)子どもたちがお互いに認め合い、人間関係を深める
仲間に愛着を感じ、夏休みで教室を離れても、良好な人間関係を築いていこうとする意欲をもたせる。そのためにも構成的グループエンカウンターの「いいとこ探し」で認め合いを行う。
(2)夏休みや2学期の行事に向けて、準備や目的意識をもたせる
夏休み中に学校生活と家庭生活を完全に立ち切らない工夫を考える。
「9月の水泳大会に向けた夏季プールへの参加」「秋季運動会に向けた体力づくり」「補習」等で、かかわりが不足した子どもたちとふれあう。
(品田笑子:1954年生まれ、東京都公立小学校教師を経て都留文科大学特任教授。上級教育カウンセラー)
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