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学級が荒れたとき、学年団の教師の協力を得て乗り切ることができた

 中学校では教科担任制のため、学年団でのチームプレーが欠かせない。そのためには「報告・連絡・相談」(ほうれんそう)をつねに意識することである。
 私は中学校1年生の担任になった。この学年は小学校とき、かなりひどい学級崩壊を経験している。
 生徒たちは、教師への暴言が頻繁にあり、教師に対する不信感が強かった。学年の教師は日々闘っていた。
「大きな声が聞こえたら、すぐさまその場に駆け付ける」というキャッチフレーズがあったほどだ。実際に大きな声が聞こえたら、飛んでいった。
 どこかの教科が崩れると、全体が崩れていくこともある。
 学年の教師集団で学年の生徒に対応することを確認して実行していった。
 そのためには、クラスで起きたこと、授業での出来事で必要なことは、早く学年団に報告する。
 そして、自分が行った指導や、こうしていこうという指導の見通しを伝える。指導のことで迷ったり、悩んだりしたら学年団に相談する。
 学年団に報告し、相談することで、気にかけてもらったり、いざというときに助けてもらえる。教師の力不足なところを補ってもらえるのだ。
 クラスで「こんないいことがあった」ということも、どんどん伝えると、学年団の教師は幸せな気分になれる。
 私のクラスの女生徒Mは異性に興味が人一倍あり、いろんな男の子にアタックするので嫌がられ避けるようになった。
 Mがそばに来たとき、わざと体をよける。嫌なあだ名をつける。通りかかったとき「きしょい」と言う。持ち物に傷をつける生徒もいた。
 多くの男の子は「Mは悪いから、嫌なことをしてもいいのだ」と思うようになった。
 クラスの生徒のMに対する「嫌がらせ」は重大な事件であると私は考えた。
 私は、Mに対する嫌がらせをなくすために、クラスの生徒と対決することにした。
 学級活動の時間に対決するので、学年の教師に協力を依頼し、時間の空いている教師に来てもらった。
 そこで、私は生徒からもらった手紙を読んだ。
「このクラスに苦しんでいる人がいます。『きしょい』と言ってしまったとき、悪いことを言ったなと思ってほしい。自分はどこが悪いか考えてほしいと思います」
「『きしょい』という悪口をいわないということをクラスの約束にしてほしいと思っています」
 私は担任として「人の不幸の上に自分の幸せを築き上げることが許せない」と話した。
 私は目を見開いて、一人ひとりの生徒の目をゆっくりと見ながら、私は
「中学校に入って、人に対して『きしょい』と言ったり、悪口を言ったり、嫌がらせをした人は立ちなさい」
と言った。男子生徒の半数、女子生徒が二人立った。私は
「もしかすると、その人にも非があるかもしれません。しかし、相手がどうであろうと、やってはいけないことは、やってはいけないのです」
 学年の教師が1時間、ずっと教室の後ろにいてくれ、少し話をしてもらった。おかげで何とか乗り切ることができた。
(
月安裕美:大阪府公立中学校教師
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