掃除のやり直しを拒否した子どもを、どう指導すればよいのでしょうか
清掃点検でチェックされた箇所のやり直しを指示したが「ちゃんとやったのに」などと文句を言い「やりたくない」と拒否した。
掃除のやり直しを拒否する行為は、教師に対する反抗など、さまざまなレースが考えられる。
やる気のなさを指摘し、叱るだけでは子どもの反抗的な態度をあおるばかりである。「ダメじゃないか」と責めても自己否定をされたように受け止めて、気づかせたい掃除の意義を考えなくなってしまう。
どう指導すればよいのでしょうか。
単に言うことを聞かないととらえるのではなく、教師に対する一つの意思表示だと捉え、清掃活動の意義を認識させるきっかけとする。
きれいな教室はみんな気持ちがいいものである。清掃のように、見えないところで、人の役に立っていて、人と人がつながっているという、掃除活動の意義に気づかせたい。
そこで「先生に言いづらいことを、勇気を持って言えたね」とほめると、文句を言っていた子どもはきょとんとした。
その後「やりたくない理由はなにかな」と聞いたところ「めんどくさいから」と答えた。
「点検が厳しすぎるのかい。点検者はきみに何か恨みでもあるのかな」と話すと「そういうことではないと思う」と言った。
「そうか、きっと点検者もきれいな教室にしたいから、あえて厳しい点検にしているんだね。きれいな教室は気持ちがいいからね」
「みんなもそうだと思う。人の役に立てるっていいものだよね」
「やり直しはもう一度、みんなの役に立てるチャンスをもらったことになるんだよ」
と話すと、やり直しが始まった。
あるいは、ほかの方法を考えると、
やり直しを指摘された掃除班全員に対して
「せっかくやったのにね。精一杯やったことが認められないのは悔しいよね」
「この中で、精一杯やった、これ以上はできないと言う人は手をあげてくれないかな」
と聞くと、だれも手が挙がらなかった。
「おや、へんだな。中途半端だとおもっているのかな」
「では、もう一度、これ以上できないというくらい綺麗にやって、すっきりしてみよう」
と誘った。
点検者にどうダメだったのかを聞いたうえで、班員全員と共にやり直しを行った。
(萩原 啓:北海道公立中学校教師)
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