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学級が荒れ出し学級崩壊したとき、授業はどう改善すればよいのでしょうか

 学級崩壊はどこでも、どんな教師でも起こりうる時代です。
 荒れ出したら元にもどすのは、至難の業です。荒れた子どもたちとやっていかなければならない。工夫をしなければ教師自身、持ちこたえられません。
 まず、荒れていても授業はしていかなくてはならない。授業を改善することを考えましょう。
 基本の考え方は、子どもをひまにさせないということです。
(1)
テンポのある授業にしましょう
 子どもとうまくいかない授業はテンポが悪いのです。変にまのびしたり、滞ったりしています。
 退屈な授業を聞いていられなくて暴れるのなら、どんどん進めて退屈するひまを与えない方が良いでしょう。
 崩れかかっている子どもたちには、テンポは最も必要なことだと思います。
 荒れている学級は、どんどん教師の予定通りに進めていくのです。
 テンポよくどんどん進めてしまうと、よけいなことをしている時間が減ります。すると授業が成立しているように見えます。
 もちろん、間をとることは大切なことです。じっくり考えさせる授業は良い授業です。しかし、じっくりと考えることのできない状態になっているのですからね。
(2)
楽しい、面白い授業
 楽しい、面白い授業のために、いろいろな準備をして授業を行います。
 子どもたちとの関係をどう修復するかと悩むよりも、いかにして面白い授業にするかに力をそそぐようにします。人間関係が一度うまくいかなくなったら、そっとしておくしかないのです。
 子どもたちは、切り替えが速いから「楽しいな、おもしろそうだな」と思ったらのってきます。そうすれば、学級崩壊していても授業が成立します。
 絵本を読むと、よほどのことでもない限り、その間は教師の話を聞いています。子どもに合う絵本をいつも用意していれば、その読み聞かせをする数分間だけは、子どもたちは黙って聞いてくれます。教師の心の安定上良いことです。
 漢字の学習は、漢字のビンゴとか画数のゲームなど、ゲーム感覚でできるものを入れると、そういうことだけは高学年の子どもたちものってきます。
 こういうものは、ネタで良いのです。おもしろい学習のネタがたくさん本になっていますから、そこから取り入れると良いでしょう。(例:中村健一著、中條佳記著等)
 荒れてしまったら、緊急避難という感覚でネタを使ってみるのが良いと思います。
(3)
活動を中心とした授業
 子どもが話を聞いてくれないのだったら、話さなくても授業の大半が進むような工夫をするべきですね。
 そのためには、協同学習のような子どもたちだけで、できる活動を授業に入れることが良いでしょう。
 音読も活動です。五分間全員で音読していたら、私語やがさがさしにくいものです。
 ワークシートを使った一人学習を主体にしていけば、その間は、けっこう静かに学習します。
 つまり、子どもたちに活動させれば、荒れた時間ではなくなるので学級崩壊でも授業が成立するということです。
 そういうふうに、授業を工夫していけば良いのです。関係修復よりも、私は授業の改善を大切にすべきだと思っています。
(
多賀一郎:1955年生まれ、神戸大学附属小学校を経て私立小学校教師。退職後は追手門学院小学校講師、専門は国語教育。在職中に日本私立小学校連盟国語部全国委員長歴任。親塾・教師塾等で保護者・教師教育の手助けをし、全国で講演
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