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授業中に教師の注意に子どもが劇高したとき、どうすればよいか

 まず落ち着かせる言葉で、いったん「停戦」に持ち込む。それから事態収拾を図るとよい。
 例えば、次のような場合は、
 授業中、教師の注意に対して興奮し、目をむき、机をけり、こちらへ立ち向かってきた。
 私はハッシとにらんで「席に着け!」と、一喝した。
 すると、気勢をそがれて、動きが止まり、席に座った。
「今は授業中だぞ! 立ち歩いて注意されても無視。あげくに冷やかし、ヤジとは、一体どういうことだ」
 座って向こうを向いたまま「ウルセー」と、言ったが、声に力がない。自分にやましさを感じるからだろう。
 私も、口の利き方などを深追いしなかった。言わずもがなの言葉で刺激した後ろめたさがあったからである。
 しばらくの沈黙の後、双方とも冷めて、最悪の事態は避け得た。
 その後、冷静になってから、話し合い和解した。
 他の場面でツッパリにつかみかかられたときも「席に着きなさい!」と、ふりほどいて、おさまった。
「席に着きなさい!」は、子どもには、人格非難でない、受容できる指示なのかもしれない。
 その他の対処法、
 注意してもいうことを聞かず、さらに追い込むと反抗的な態度を取りそうなときは、その場はそのままにし、後に間をおして指導するようにする。
 よくない対処法、
 怒りにかられて、つい侮辱、脅し、泣き言を付け加えて注意したりすると、それによって、火に油を注ぎ、対立を一気に頂点にまで上がりつめてしまう。
 子どもが反抗するような事態を招かないようにするには、子どもと教師の人間関係づくりが第一である。
 そのためには、共感的な子ども理解、認め励ます声かけ、長所が発揮できる出番づくり、学ぶ喜びがわく授業、学習用具の忘れ物対策などを配慮したい。
 また、保護者との良好な関係、他の教師との連携の約束などがあると、たいへん心強い。
(
毛利 豊:1956年生まれ、富山県公立中学校教師。日本群読教育の会副会長。全国生活指導研究協議会全国委員。科学的「読み」の授業研究会会員)

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