教師の言葉かけ一つで、子どもたちは成長もし、つぶしてしまうこともある、どう話せばよいか
教師の仕事の大半は話すことではないでしょうか。しかし、どれだけその大切さを自覚しているでしょうか。
教師の言葉かけ一つで、子どもたちは成長もしますが、つぶしてしまうこともあります。
例えば、掃除をまじめにやらない子どもを注意することがあります。
感情をむき出しで注意をしてはいませんか。くどくどとしつこいくらいに注意していませんか、とげのある言葉で注意をしていませんか。
子どもたちは、自分のしていることが、いけないことだとわかっています。頭ごなしに注意すると「今度は気をつけよう」という自省の心が生まれてこないでしょう。
かえって「なんだ、この先生は!」という反発の心が芽生えてくるのではないでしょうか。
まず、子どもの話を聞きましょう。それから、静かに子どもの心に響くような注意をしたいものですね。
子どもが自ら問うようにしなければ、子どもたちは同じような失敗を繰り返します。
よい言葉には、二つの大事なことがあります。
その一つは「責任のある言葉」です。
例えば、授業中におしゃべりをしている子どもがいて、教師が「静かにしなさい」と注意したとき、静かにさせる方法を示すか、静かになるのを待つべきだと思います。
静かにならないまま授業が進められることはありませんか。言葉に責任を持たなければならないと思います。
もう一つは、子どもへの「愛情のある言葉」ではないでしょうか。
うわべはやさしい、ていねいな言葉であっても、どことなく冷たい感じを受けることがあります。
子どもたちは、この先生は私たちを好きではないと直感的に感じるのではないでしょうか。
「よく聞く子どもは、よい子ども」と言われます。
話すことと同じように聞くことが大切なのです。教師がよい聞き手でありたいように、子どもたちにもよい聞き手であってもらいたいものです。
聞くことの大切さの他に大切なことは「子どもたちに伝わる」話し方です。そのためには、
(1)声の大きさ
(2)話のスピード
(3)はっきりとした言葉で話す
(4)具体的に話す
子どもたちに話をするときは、できるだけ具体的に話をしたいと思います。
言葉だけでなく、図で示してもよいでしょう。
子どもたちに話が伝わったかを確認するには「わかった人」と問うのではなく「よくわからなかった人?」と問うようにするとよいでしょう。
(5)端的に話す
教師の話はだらだらと長いものです。どんなにすばらしい話でも効果は半減します。聞いているうちにピントがぼけてしまいます。
(6)一時に一事を話す
あれもこれもと話すと、子どもたちには伝わらない。
話すことを分けます。分けることが、わかることに通じます。一つのことについて話すようにします。
(奥平厚洋:元千葉県公立小学校教師)
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