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保護者に対して私が心がけている三つのこと

 私が教師になったとき、大ベテランの先生が
「保護者全員に理解してもらおうと思わないこと。3割の保護者で十分」
 とおっしゃった言葉は忘れることが出来ません。
 私は30歳で教師になりました。学校現場に入り思ったことは、教師の個性が際立つ仕事であるということ。
 また、保護者の方も様々な考えを持ち、実に個性いっぱいです。保護者全員に理解していただくことなど不可能なことです。
 そうは言っても、できだけ多くの保護者に理解していただきたいと思い、動いていくことは大切なことです。
 そこで、私がいつも心がけていることを次に紹介したいと思います。
1 最初の保護者懇談会で宣言
 最初の保護者懇談会で私は、次のように宣言します。
「私の指導について理解できないことがあるかもしれません。どうかその際は、子どもさんにだけは、私のことを悪く言うことはいただきたいのです」
「親の言葉は、子どもにとって『絶対』です。担任のことを悪く言った瞬間、信頼関係は崩れます」
「私が学校で子どもたちとの信頼関係を築こうと思っても無理なことになってしまいます」
2 保護者に事前に言うと「報告」、後で言うと「言い訳」
 これは、何か子どもに対して、トラブルが起こったときの対処法です。
 トラブルには、できるだけ先手を打ちます。
 保護者から連絡が来て「何で言ってくれなかったんですか?」となると、その後に言う言葉は保護者からすれば、すべて「言い訳」に聞こえます。
 ところが、こちらが先に連絡すると「報告」になるので、保護者の気持ちが全く変わります。
 教師が些細な事だと思うことでも、子どもにとってそうでないことがよくあります。子どもの表情や様子を放課後もう一度じっくりと振り返り、電話しておくべきことは、その日のうちに必ずしておきます。
 特に、友だち関係のトラブルには配慮が必要です。保護者にとって大きな関心事は友だち関係です。
 教師が知らないところでも日々何かが起こっています。そこで大事なのは「納得しているか」ということです。
 納得していないときに、保護者に伝わり心配をかけることになります。たとえ納得したことでも、その経緯を保護者に説明しておいた方がよい場合もあります。
 どうすればよいか分からない時は、学年の先生にすぐに相談し、必ずその日のうちの対処が必要です。
 連絡帳に書くのも一つの方法です。しかし、文章で伝わりにくいことや、ややこしい友だち関係のことなどは電話か家庭訪問する方がよい。
 特に小学校高学年は連絡帳に書かれることを嫌う場合もあります。親に見せないことも考えられます。
 連絡帳にほめることを書くのは本当におすすめです。
 もし、保護者からお叱りの電話があれば、子どもをお預かりしている立場として、とにかく「謝り」「聞く」の2つを心がけることが大切です。
 保護者の話を誠意を持って聞いているうちに必ず落ち着いていかれます。
3 学級通信は保護者との架け橋
 教師になった私は、わが子の学校に行くことが減り、ありがたかったのは、わが子が持ち帰る学級通信でした。
 私は新任のころから、週に2~3回は学級通信を発行しています。
「私が親だったら、こんな学級通信がほしい」というのが発行の一つの基準です。
 例えば、授業参観日の学級通信は必ず発行し、来られない保護者にも授業内容を見ていただけるようにします。
 他にも、白熱した授業のワンシーン、クラスで笑ったこと、クラスのブームなど、短時間に手書きで書くことにより、新任の頃から楽しく継続しています。
(
桜田恵美子:大阪府公立小学校教師
)

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