ストレスが生じにくくするための工夫とストレスの解消法とは
私たちは生きている限り、常に何らかのストレスを受けていて、それから完全に逃げられることはない。
ストレスが生じにくくするための工夫は
1 ゆとりの大切さ
心にゆとりがないと相手に合わす適応能力は発揮できない。
本当に自分に心のゆとりがなくなってしまったときは、相手を無視し、相手の身になって物事を考えないことが自分をストレスから守ることになる。
2 ストレスに圧倒されない
子どもや保護者が求める教師像はさまざまである。学校現場でストレスに負けないで生き生きと指導ができるためには
(1)子どもや保護者がどのような理不尽なことを言ってこようとも、大人として現実原則にのっとった毅然とした一貫性のある強い姿勢で臨む力が必要である。
(2)あくまで対等の立場で、わかろうとする姿勢を堅持する共感的な態度が必要である。
(3)現実的に話が進むように、対立構造のまま膠着状態にならないような受容的態度(品性、優しさ)が求められる。
以上三つは教師の中でも管理職にあたる人に求められ、それによって教師は身体を張って子どもの指導に当たることができる。
ストレスとどう仲よくつきあっていくのかを考えることが現実的なストレス解消法につながる。
仕事の中で生じたストレスは仕事を通じて、人間関係の中で生じたストレスは人間関係を通して解決していくのが理想である。
ストレスが生じると、不快感、いら立ちなどを感じるようになる。ストレスの解消は、そのようなことを軽減させることが目標となる。
心身の疲労が解消されたときに感じる、気持ちよさ、すっきり感、心が清められるような感じ、安心感がでてくることが目標となる。
1 具体的なストレス解消法
(1)最大のストレス解消法は眠ること
最も効果のあるストレス解消法は睡眠である。眠ることにつきる。
(2)一人でできるもの
身近なものでは、酒、買い物、スポーツなどが多いといわれている。しかし、このようなものは、一時しのぎでしかない。
一人でできる趣味には心を楽しくさせ、心を元気にさせる作用がある。ストレス解消法に趣味がよいと考える理由はここにある。
しかし、趣味はあくまで気ばらし、気分転換と考えるべきで、趣味をすることによってストレスの原因が完全に解決されてストレスが解消される訳ではない。
(3)相手が必要なもの
気の合う人とおしゃべりをして話を聞いてもらう。動物を飼うなどである。気を使わなくてすむ人に、自分のもやもやした思いをきいてもらうことは、とっても心が楽になる。
言葉を使わず自分の好きな動物と一緒にいることも心をなごませる結果となる。
2 原因別のストレス解消法
(1)人間関係が原因の場合
人間には、元来生理的に好き嫌いがはっきりとしているところがあるので、生理的に合わない人との人間関係は割り切るしかない。
言葉づかいなどに気をつけ、その人との距離をとるしかない。
そして、自分と価値観が合って、気をつかわずに話ができ、感性の合う人が身近にいたら、その人を大切にすべきである。
その人とは性格が似ているため、いつかどこかで同じような挫折経験をし、のりこえていることが考えられる。自分に合った適切なアドバイスをしてもらえる可能性がある。
(2)過労からくるもの
たとえば、旅の好きな人ならば目的をもたないブラブラした旅をしてみること。
(3)自分を縛っている固定の習慣がストレスの原因となっている場合
十分に時間をとって内省し、他人が決めたことに従わされている不自由な生活、疲れ果てている感覚、心の窮屈感、心の底から求めている解放感に気づくことである。
人間の本能は自由、わがままに生きることにあるのだから。
3 感性を鍛え磨き、大切にする
(1)身体の健康を大切にする
心を守ってくれているのは身体なので身体を大切にする。
十分な睡眠と楽しくおいしく食べることができる生活が大事である。
健康な感情を維持できていれば、もう精一杯なのかがわかる。この感覚が機能しなくなると過労死するのである。
(2)自然と向き合う
大自然に触れることによって自然のもたらす絶対的な感触と、自分のそれまでの考え方とを相対的に考えることで、物事の本質、限界、可能性、希望が見えてくる。
(3)本物に出会う
世の中にはお金で置き換えることのできないものが存在することに気づくことができるかどうかが人間としての分岐点である。
そのためには、一流といわれるもの、本物といわれるものを創作した人、一流のスポーツ選手、芸術家の生きざまに何を感じるかにかかっている。
(岡田 謙:医師(精神保健医)。教師と児童の精神疾患治療で有名な関東中央病院の部長を務め、東京都医師会学校精神保健検討委員会委員。平成18年から「くじらホスピタル」の初代院長に就任)
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