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魅力的な教師になるには、どのようにすればよいのでしようか

 多くの先生方と話をしていると、もともと自己表現が下手だから、致し方がないと開き直っている人がいる。
 たいへん嘆かわしい。教師自身が性格なり自己表現なりを変え、その変化を子どもたちに見せることによって、子どもたちが変わっていくのだから、まず、自分を変える勇気を持たなければどうしようもない。
 自己表現のトレーニングで言葉の使い方も良くなり、大きな声が出せるようになり、明瞭な発音ができるようになる。
 笑顔も増え、アイコンタクトは強く長くなり、身体表現がきびきびと自分の意思に従った行動が取れるようになる。相手との距離の取り方も適切になる。
 トレーニングにより、自己表現を向上させることができる。
 こんなふうに自分が変わったらどんなに楽しいだろうか、と実際に自分をイメージしてみる。
 例えば、明るくてみんなに好かれる教師というイメージならば、朝、家を出るときから、授業を終えて家に帰ってくるまでの一日をイメージする。
 明るくて、頼られる教師が、どのように行動して、何を着て、どんな顔でしゃべり、どのような歩き方をするかイメージして、その通りにできるように、鏡を見たり、友人に点検してもらったりしてトレーニングをしていく。
 私が考える、授業で、魅力的な教師は
1 表現力
(1)
伝える内容が明瞭である
(2)
変化に富んだ教え方ができる
(3)
伝えようとする熱意がある
(4)
言葉だけでなく、表情や動作などの表現がきちんとできる
2 教材についての知識があり系統化されている
3 子どもとの関係の適切さ
4 授業の計画と準備や手続きの適切さ
5 子どものやる気、自己動機づけへの助力
 こうした自分のなりたい教師像を頭の中で理解した上で、感情的にそれを十分に受け止め、かつ行動のレベルまで高められるようになれば、この変化は本物だと言える。
 こんなふうに、頭の中が切り替わるばかりでなく、気持ちも行動もテキパキと変わった教師を見て、子どもたちは喜び、その真似をしたがるものである。
 教師自身がいつも何か新しいことを創り出して、それを実行しているような教師だと、子どもたちは喜んで先生についてくる。
 そのような創造性豊かな人格に教師がなれたらどんなに素晴らしいだろうか。
 もともと教師は、子どもたちの創造性を伸ばし、いきいきした子どもを育てていくことなのだから、教師自身が創造性豊かな人格になることが、まず何よりも肝心だと思われる。
 向上心があって、自分から進んで様々な工夫をしながら、多少の困難にめげることなく粘り強く指導していける、明るくて積極的な教師であれば、教師自身が毎日、楽しくてしかたがないであろう。
 明るくて、元気で、素直は、子どもも教師も必要ではないだろうか。
 毎日を明るく、元気。踏まれれば踏まれるほど強くなる、そんな教師を子どもは尊敬してやまないのである。
(
佐藤綾子:1947年長野県生まれ、1980年日本初の「日常生活における自己表現」の「パフォーマンス学」を開始。日本大学教授、一般社団法人パフォーマンス教育協会理事長)

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