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授業で子どもたちが積極的に動くようにするにはどのようにすればよいか

 これまでの授業は、教え、わからせ、理解させる授業で、知識伝達型である。未知を既知にして終わるものであった。「なあんだ、そんなことだったのか」で終わり、明日の授業へ続かない。子どもにとっては受け身で、積極的な参加がない。
 授業で教師がやさしく、ていねいに、かみくだいて教えてくれると、子どもたちは考えなくてよい。言われたことを覚えればよい。
 こういうことに慣らされた子どもは、いわゆる「指示待ち人間」に育っていく。
 そこで、新しい授業が必要になる。
 今まで「わかっている」と思っていることを、おもしろいネタでゆさぶりをかけ「あれ、わからないや?」という状態にして終わるのである。
「未知→既知」で終わらないで、もう一つつっこんで「未知→既知→未知」にして終わるのである。
 これは疑問・問題「はてな?」を引き出す授業であり、追及しようという意欲を引き出す授業である。
 子どもたちに「あれ!」といわせ「調べてみたい」→「どこで、どのように調べたらよいだろうか」と考えるように指導する授業である。
 つまり「問題追及型」の授業に変えるのである。
 子どもが自分の本当の問い(「はてな?」)を、その子らしく、追究するようにしようというのである。
 授業で子どもたちが積極的に動くようになる原動力が、面白い「はてな?」なのである。面白い「はてな?」がみつかれば、病気でもない限り、必ず動き出す。動かずにはおられなくなる。
 子どもたちが本当に調べたい「はてな?」を発見すると、一人でも調べる。もちろん、グループでも調べる。つまり、個人研究が進展するのである。
 個人で研究をしたことは、必ず書くように指導する。これが「はてな?」帳である。「はてな?」帳に、調べたり、考えたりしたことを、どんどん書かせる。
 決められたことを決められた通りやるだけでは「学ぶ習慣」はつきにくい。自分から工夫して学ぶとき、そこに「面白さ」を発見する。
 だから、授業で子どもたちが積極的に動くようにするには、何としても面白い「はてな?」をもたせなければならない。
 授業は、子どもたちに「はてな?」を発見させる時間であるべきだ。それなのに、たくさん教えれば子どもは偉くなると勘違いしている大人が多い。
 子どもたちに「どうしても調べたい」という「はてな?」を持たせなければならない。そうすれば、調べるようになるのである。
 一度や二度、調べるだけでなく、繰り返しているうちに、追究力が育ってくるのである。
 真の問題解決は、次々と「はてな?」が見つかるということである。問題を解決するということは、新しい「はてな?」を発見できるということである。
 新しい「はてな?」が発見できないときは、問題が解決したとはいえないのである。
「はてな?」なしには、授業は成立しないし「はてな?」なしには追及力も育たないのである。
追究力を育てるには
(1)
子どもたちが「調べて調べまくりたい」という「はてな?」を発見させること。
(2)
「はてな?」を発見させるには、よいネタが必要だということである。
(3)
「はてな?」帳に、追究したことを書かせる。書かなければ身につかない。
 よく書く子どもが伸びている具体例を示すのが一番よい。
(
有田和正:19352014年、福岡教育大学附属小倉小学校、筑波大学付属小学校,愛知教育大学教授、東北福祉大学教授、同特任教授を歴任した。教材づくりを中心とした授業づくりを研究し、数百の教材を開発、授業の名人といわれた
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