けんか相手の子どもに学校で面会させろと保護者から要求があったとき、どのようにすればよいのでしょうか
1 法的な義務の有無について
子どもがけがをしている等の事情がある場合には、相手方の保護者に損害賠償請求をすることは可能である。
しかし、その場合でも、保護者が相手方の子どもと直接面会することを求めるといった法的な権利はない。
学校が子ども同士のけんかについて、損害賠償責任を負う場合であっても、相手方の子どもと直接面会することを求めるといった法的義務を負うわけではない。
したがって、学校は、いかなる場合においても、けんかの相手方の子どもと直接面会させる法的義務はない。
2 具体的な対処法について
子どもに対する安全配慮義務をまっとうするという観点からみて、保護者がけんかの相手方の子どもと直接面会させることは避けるべきである。
保護者が感情的になり、とっさに相手方の子どもに手を出すことは十分にあり得る。
もし、保護者がそのような行動に出た場合、それを阻止して相手方の子どもの安全を確保することは容易なことではない。
また、保護者が怒鳴ったり、暴言を吐くことも考えられる。そのような言動はなくても、子どもが保護者と対峙すること自体が相手方の子どもの心理面に悪影響を及ぼす可能性も否定できない。
したがって、けんか相手の子どもに学校で面会させろと保護者から要求があったとき、面会させるべきではない。
(近畿弁護士連合会 民事介入暴力及び弁護士業務妨害対策委員会)
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