「ペア学習」で学級づくり、聞く姿勢ができ、となりの子が認めてくれ、達成感を感じることができる
私たちの脳の中で、達成感を感じた時にエンドルフィンという脳内物質を出すそうだ。
私は、これを「やったあホルモン」となづけている。
私は、いつも目の前にいる子どもたちが、どんな脳内ホルモンを出しているのかを考えて教育実践を行ってきた。
若い先生方には、授業が終わった時など「やったあホルモン」が出る実践をしてほしいのである。「いやだなホルモン」では学級づくりはできない。
毎日繰り返される授業で「やったあホルモン」が出されるために、教師は教材研究をするのである。
授業は、学力の向上はもとより、学級づくり、仲間づくり、生活指導をも行うのである。そういう視点を持ってほしい。その核になるのが「ペア学習」である。
毎日、繰り返される授業の中で学級づくりをするのである。
授業力の向上は学級づくりに直結する。
どうすれば授業で「やったあホルモン」がでるのか。その一つに「ペア学習」がある。
ペア学習で「自分の考えが隣の子に認められた」「二人組で活動して楽しかった」という実体験が大切なのである。こういう肯定的な感情が学級をつくっていくのである。
ペア学習は簡単に取り組めるが、奥の深いものである。ぜひ極めてほしい。
ペア学習で聞き合う姿勢が養われると、不思議なことに3人4人と人数が増えていっても、話し合いがスムーズに進む。
ルールを決めたり、班やグループ活動で話し合いをするときに、大切なのは相手の考えを受け止め、聞く力である。その姿勢をペア学習で作るのである。
ペア学習の利点をあげてみると
(1)必ず、自分の考えを聞いてもらえるので、全員参加型の授業ができる。
(2)相手に認められた考えは、自信をもって発表することができるようになる。
(3)自分の考えをしっかりと書くようになる。
(4)「聞く、話す」「伝える、受け止める」などのスキルが身につく。
(5)苦手な子の考えを引き出すことができる。
(6)できる子だけで進められる授業を打破できる。
(7)子どもたちは、役立ち感や、有用感を感じ自尊感情を高める。
口だけで「友だちを大切にしましょう。仲良くしましょう」と何回言っても安心、安全な学級はつくれない。いじめをなくすのも授業からなのである。
ペア学習で、となりの子を大切にする風土をわが学級につくろう。
(三谷祐児:鳥取県公立中学校長)
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