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授業中、クラス全体が落ち着かず、集中力に欠けるとき、どうすればよいのでしょうか

 授業中、クラス全体が落ち着きません。授業に集中できない子が多く、教師の目を盗んで手遊びや落書きなどをする始末です。
 教師の目を盗んで好き勝手なことができる環境をつくっていることが問題です。
 つまり、授業に参加していなくても、おとなしくしていれば、叱られることも、困ることもない授業に教師がしてしまっている、ということです。
 どうすればよいのでしょうか。
1 授業に参加せざるを得ない指導をする
 クラス全員が授業に集中するように、考えを書かせたり、突然、指名して発表させたり、ぼうっとしている子に声をかけたりと、様々な指導の工夫が必要です。
 いつ指名されるかわからない、いつノートチェックが入るかわからない、となれば、子どもは嫌でも授業に参加せざるを得なくなり、教室が心地よい緊張感に包まれます。
2 授業に短時間のユニットを組む
 世の中全体のテンポが速くなっています。昔のように、1つのことに長時間、集中できる子が減っています。
 子どもの実態に対応して、授業スタイルを変えることも必要です。
 授業のねらいは1つでも、ねらいに迫るための授業の組み立てを工夫して、変化を加えねばなりません。
 例えば、導入の10分間は計算や漢字のゲーム、次の15分間は教師の発問を考える、その次の10分間は意見の交流の時間、最後の10分間はドリルで練習を行う。
 このように、授業の組み立てを工夫することで、集中力が持続する授業づくりに努めましょう。
3 ダメな叱り方
 教師の目を盗んで、勝手なことをしている子を、個別に集中して叱ってはいけません。
 おそらく、その子は運悪く、見つかっただけで、他にも授業に集中できていない子はたくさんいたはずです。
 叱られた子にすれば「何で、オレだけ?」と反抗したくなります。
 どんなに授業を工夫しても、何度も注意したくなる子もいます。そのようにならないように「隣の子は、できているか、お互いに確認してね」
と、子ども同士で気をつけ合うような指導法を取り入れて、直接、教師が指導する機会を少なくする工夫が必要です。
 教室の雰囲気が何となくだらけてきたと感じたら、一斉に教師の方を向かせたり、少し息抜きの時間をつくったりして、思い切って授業を中断してしまいましょう。
 クラス全体の雰囲気を変えたうえで、授業を再開したほうが、集中して学習することができます。 
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校教頭。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

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